新しい職場で働き始めて「もう辞めたい…」と感じるタイミングはありませんか?
実は多くの人が感じやすい節目が「3日目」「3か月目」「3年目」の“3”の付く時期だと言われています。
厚生労働省の調査でも大卒新卒の約3割が入社3年以内に離職することがわかっており、特に最初の1年以内の離職率が最も高くなっています。
入社直後から数日・数か月で会社とのミスマッチに気づき、早めに退職を決断する人も少なからず存在します。
なぜ入社して3日目・3か月目・3年目に辞めたくなりやすいのでしょうか。
入社3日目で「辞めたい」と感じるのはなぜ?
新入社員にとって入社直後の数日は、期待と不安が入り混じった特別な時間です。
しかし3日目あたりで早くも「もう仕事を辞めたい…」と感じてしまうケースも。
実際、入社後わずか数日で退職する人も一定数存在し、ある調査では1か月以内に退職した経験者の18.8%が入社3日以内に辞めていたことが報告されています。
環境の激変に心と体がついていかない
学生から社会人になると、人間関係や生活リズムなど環境が一変します。
とりわけ日本の企業社会は上下関係(縦社会)の色合いが強く、フラットな学生時代の人間関係(横社会)から急に切り替わることで心身が疲弊してしまう人もいます。
入社直後は緊張の連続で、新しいルールやマナーに戸惑い、「自分はこの縦社会に適応できないのでは」と不安になることがあります。
3日目ともなると緊張もピークに達し、「この環境についていけない」「もう限界だ」と感じてしまう場合があるのです。
理想と現実のギャップにショックを受ける
入社前に思い描いていた仕事のイメージと、実際に配属された職場での現実とのギャップも3日目で辞めたくなる大きな要因です。
求人票や面接で聞いていた話と実際の業務内容が違ったり、期待していた待遇や雰囲気とかけ離れていたりすると、「こんなはずじゃなかった」と感じるでしょう。
入社してすぐ会社とのミスマッチに気づいて早期に退職を決意する人は珍しくなく、短期間で辞めた理由として「人間関係に対する不満」「求人内容との相違」「仕事内容への不満」などが挙げられています。
聞いていた仕事内容と実際の業務が全く違えば失望しますし、社風が合わず居心地の悪さを感じれば「自分の居場所ではない」と思ってしまいます。
職場の人間関係でつまずく
入社直後はまだ右も左も分からない状態であるにもかかわらず、周囲から色々と指示を受けたり叱責されたりすることで精神的に追い詰められるケースがあります。
上司や先輩が新人に対して高圧的だったり、教わっていないことで怒られたりすると、「理不尽だ」「もうやっていけない」と感じてしまうでしょう。
実際に「上司や先輩に些細なことで怒られ、まだ3日目なのに限界」と感じる新入社員の悩みは少なくありません。
また、職場の雰囲気になじめず孤立感を覚えることもストレスになります。
働き始めて最初の3日間は周囲とのコミュニケーションもぎこちなく、「自分だけ浮いているのでは」という不安から辞めたくなることも。
人間関係の第一印象でつまずくと、その後の仕事にも支障が出るため、余計に早期離職を意識しやすくなります。
予想以上の肉体的・精神的疲労
慣れない満員電車での通勤や長時間の研修・労働による身体的疲労も、3日目で心が折れてしまう一因です。
特に通勤ラッシュや慣れない生活リズムで体調を崩すケースは見逃せません。
実際に2025年卒の新入社員で、「満員電車が耐えられない」ことを理由に入社3日目で退職を申し出た例もあります。
初日からの通勤で気分が悪くなり、2日目には吐き気を覚え、3日目の朝に「毎朝これを繰り返すのは無理だ」と限界を感じたそうです。
このように、心身のストレスが短期間で蓄積し、「このままでは健康を害してしまう」と感じてしまえば、仕事を続けること自体に恐怖を覚えてしまいます。
「体力的についていけない」「精神的にもう持たない」と感じれば、入社わずか3日でも辞意が頭をよぎるのは無理もありません。
それでも3日で辞めてしまっていいの?
入社3日で退職する人は確かに存在しますが[3]、現実問題として3日で本当に辞めてしまって良いのか悩む人も多いでしょう。
法律上は退職の意思表示から通常2週間程度働く必要がありますが、会社との合意が取れれば即日退職も不可能ではありません。
しかし「たった3日で辞めた」と次の転職活動で説明することへの不安や、経済的・社会的な影響も考えると、踏みとどまるべきか迷うのが正直なところでしょう。
結論としては、心身の健康に関わるほど追い詰められている場合や明らかな労働条件の違反(求人票との相違など)がある場合は、無理せず早期退職を検討すべきです。
一方、単に環境への慣れや緊張からくる不安であれば、もう少し様子を見ることで状況が好転する可能性もあります。
「3日耐えれば3か月は持つ、3か月頑張れれば3年は続く」という言葉もあるように、最初の数日を乗り越えると心身が職場環境に馴染んでくるケースも多いです。
入社3か月目に転職を考えてしまう理由
入社して3か月ほど経つと、仕事にも少し慣れ始め、当初の緊張が和らぐ時期です。
しかし、このタイミングで「辞めたい」「転職したい」と悩む人が急増すると言われています。
いわゆる「入社3か月目の壁」とも呼ばれる現象で、多くの人がこの時期に仕事への迷いを感じる傾向があります。
なぜ3か月目に辞めたくなるのでしょうか。
その代表的な理由を見ていきましょう。
研修明けに直面する本当の仕事
多くの企業では、入社後数週間から数ヶ月間は研修期間や試用期間として位置づけられます。
入社3か月目にもなると研修も終わり、本格的な業務がスタートしたり、独り立ちを求められたりするでしょう。
すると、それまで見えていなかった仕事の厳しさやプレッシャーが一気に押し寄せ、「こんな大変な仕事だったのか」と思い知らされることがあります。
最初の1~2か月は新しい環境に適応することで精一杯であっという間に過ぎますが、3か月目に入ると少し冷静に周囲が見えるようになり、改めて仕事内容や職場の実態が目に入ってきます。
その結果、「自分にはこの仕事は向いていないのでは」「思っていた仕事と違う」と感じ、転職を考え始めるのです。
仕事に慣れたことで不満が表面化する
入社直後は目の前の業務を覚えることで精一杯ですが、3か月も経つと日々の業務に少し余裕が出てきます。
一通り基本的な業務フローが分かり始めると、次第に自分や職場を客観視する心の余裕が生まれます。
すると、それまで感じなかった不満が徐々に表面化してくるのです。
例えば、「業務にやりがいを感じられない」「思っていたより残業が多い」「職場の雰囲気が自分に合わない」といった点が気になり始めます。
「転職3ヶ月の壁」と言われるように、3か月目はまさに職場への不満やストレスが噴き出しやすい時期なのです。
これは何もあなただけではありません。
同じように転職後わずか3か月で「もう無理だ…」と感じて自己嫌悪に陥る人も大勢います。
3か月目に辞めたいと感じるのは、決して特殊なことではないのです。
自分の能力不足や適性への悩み
3か月働く中で、自分なりに仕事のコツが掴めてくる反面、自分の能力や適性に対する悩みも出てきます。
研修中は周囲も新人ということで大目に見てくれますが、業務に本格的に加わると、先輩や同期と比較して「自分はなんて出来が悪いんだ」と落ち込む場面があるかもしれません。
また、「もっと自分に向いている仕事が他にあるのでは?」という“青い鳥症候群”的な発想も芽生えやすい時期です。
3か月働けば、自分の得手不得手がおおよそ見えてくるため、「この職種は自分に向いていないのではないか」と疑念が生じることがあります。
特に向上心の強い人ほど、「このままここにいて成長できるのか?」と焦りを感じてしまうでしょう。
自分の未熟さを痛感したり、この仕事で力を発揮できていないと感じたりして、他の道を模索したくなるのが3か月目なのです。
職場の人間関係・社風に馴染めない
入社から3か月も経つと、職場の人間関係や会社の社風もだいぶ見えてきます。
新人という特別扱いの期間が終わり、本格的に職場の一員として溶け込めるかどうかが問われる時期です。
しかし、人によっては3か月経っても職場に馴染めず孤立感を覚えている場合があります。新しい環境に適応するのには時間がかかるものですが、中には「自分はこの会社の雰囲気にどうしても合わない」と感じ続けている人もいるでしょう。
社風や仕事の進め方が前職や自分の性格と合わず戸惑いが多いと、毎日小さなストレスが積み重なります。
3か月経っても人間関係の輪に入れない、上司との信頼関係が築けないとなれば、「この先ここでやっていくのは厳しいのでは」と不安になるのも無理はありません。
職場での自身の居場所が見出せないまま3か月が過ぎると、転職の二文字が頭をよぎり始めるのです。
将来への漠然とした不安が芽生える
新人とはいえ3か月働けば、会社や仕事に対してある程度冷静に評価できるようになります。
すると、「この会社でこのまま続けていて、自分の将来はどうなるのだろう」というキャリアへの漠然とした不安が芽生えることがあります。
入社当初は目の前のことで精一杯でも、3か月もすると将来のキャリアプランを考え始める人もいるでしょう。
例えば、「この会社にいて自分は成長できるのか」「数年後に自分の望むキャリアを描けるのか」といった問いが頭をもたげます。
もし会社の将来性や自分のキャリアパスに魅力を感じられなくなった場合、早いうちに別の道を検討した方が良いのではと考え始めるのです。
特に入社前に期待していた条件(年収アップやスキル習得、人間関係の良さ等)が入社後なかなか実感できず、「このまま続けても自分の望むメリットは得られないのでは」と思い詰めると、転職という選択肢が現実味を帯びてきます。
3か月で辞めるべきか悩んだときは
入社から3か月、まだ新人と呼ばれる時期に退職を決断するのは勇気が要ります。「ここで辞めたら根性がないと思われるのでは?」「次の転職で不利にならないか?」と悩むのは当然でしょう。
しかし、3か月で辞めたいと感じる理由の深刻度によっては、無理に続けない方が良いケースも。
会社が典型的なブラック企業だった場合や、日常的なパワハラ・暴言など明らかに悪質な問題がある場合、さらには心身に支障を来して出社できない状態に陥っている場合は、迷わず退職を検討した方が良いでしょう。
これらに該当する環境で無理を続ければ、いずれ健康を損ないキャリアどころではなくなってしまいます。
一方で、「仕事になじめない」「思っていたのと違う」程度の悩みであれば、もう少し時間が解決してくれる可能性もあります。
3か月では仕事の全容を理解しきれておらず、目標としていたやりがいもまだ感じられていないだけかもしれません。
まずは上司や先輩に率直に相談し、自分のキャリアについて話し合ってみるのも一つの方法です。
社内で部署異動や働き方の改善など解決策が見つかるかもしれません。
それでも将来像が描けず、このままでは自分の成長につながらないと判断したなら、第二新卒として早めに転職活動を始めるのも選択肢でしょう。
「石の上にも三年」という言葉もありますが、合わない仕事で無理に3年過ごすことが必ずしも良いとは限りません。
限りある時間を有意義に使うためにも、自分の心の声を無視しないことが大切です。
入社3年目に転職を考える理由
社会人として3年目を迎える頃、仕事にもかなり慣れ、後輩ができ始める人もいる時期。昔から「とりあえず3年は働け」と言われることもあり、一通りのスキルを身に付けるには3年かかるともよく言われます。
実際、3年間続けることで仕事の本当の面白さが見えてきたり、自信がついてくることも多いでしょう。
一方で、「ちょうど3年働いたし、次のステップに進むべきか」と転職を検討し始める人が増えるのもこの3年目の特徴。
では、なぜ3年目に仕事を辞めたくなるのでしょうか。
主な理由を探ってみます。
成長の停滞と仕事のマンネリ化
3年も同じ職場で働けば、仕事の流れにもすっかり習熟し、日々の業務に大きな支障はなくなるでしょう。
これは喜ばしい成長ですが、裏を返せば仕事に慣れすぎてマンネリ化を感じやすくなる時期でもあります。
毎日似たような業務の繰り返しで新鮮味がなくなったり、「この仕事ではこれ以上成長できないのでは」と物足りなさを感じたりすることが増えます。
特に向上心の高い人ほど、現状に停滞感を覚えやすく[31]、「別の環境でもっと自分を成長させたい」と思い始めるでしょう。
入社3年目は一通り業務を経験し尽くし、新しい刺激が減る時期。
そんな中で仕事への情熱ややりがいを見失うと、「このままで良いのか?」と自問し、転職によって新たなチャレンジを求めたくなるのです。
給与・待遇への不満が現実味を帯びる
新人の頃はあまり意識しなかった給与や待遇についても、3年目にもなると具体的な不満が出てきます。
1年目から3年目にかけての昇給ペースを見たり、先輩社員の給料事情を知ったりするうちに、「この会社では将来的に十分な昇給が望めなさそうだ」と判断することもあるでしょう。
実際に3年働いた時点で「給料が安い」ことは辞めたい理由の上位に挙げられます[33]。仕事に対する報酬である給料は大きなモチベーション要因。
それが低いままだったり、この先も大幅アップが見込めないと分かれば、将来に不安を感じるのは当然。
「このままここで働き続けても経済的に厳しいのではないか」「他社に行けばもっと良い条件が得られるのでは」と考え始めると、転職の意欲が高まってきます。
また、給与だけでなく労働時間や福利厚生など待遇面全般で不満が蓄積し、「他の会社なら自分の望む働き方ができるかも」という思いに至るケースもあります。
3年目はちょうど生活設計も具体的になってくる時期ですので、収入や待遇への不安が転職を決意させる大きな理由となり得るのです。
上司や先輩を自分の将来に重ねてしまう
3年間同じ会社で働くと、直属の上司や先輩社員の姿から会社での自分の将来像が想像できてきます。
尊敬できる上司がいて「ああなりたい」と思えれば良いのですが、もし上司や先輩に魅力を感じられなかった場合、それはそのまま「数年後の自分もああなってしまうのか」という不安につながります。
上司が毎日遅くまで残業していたり愚痴ばかり言っていたりすると、「この会社で出世してもあんな風に疲弊するだけ?」と将来に希望が持てなくなるかもしれません。
逆に、先輩が全く成長せず停滞しているように見えれば、「ここにいても成長できないのでは」と感じるでしょう。
上司や先輩を尊敬できないことは3年目で辞めたい理由の一つに数えられています。
将来の自分の姿を重ねたときに、今の職場に明るい未来が描けなければ、「この会社でこのまま頑張る意味はあるのだろうか」と疑問を抱き、環境を変えたくなるのは自然な心理です。
他社での活躍を夢見て“青い鳥”を追う
3年も働けば一定のスキルや経験が身につき、自分なりの自信も芽生えてきます。
その一方で、「他の会社に行けばもっと自分の力を活かせるのでは?」という隣の芝生が青く見える心理も強くなりがち。
これはまさに“青い鳥症候群”とも言える現象で、今の会社に何らかの不満や限界を感じているとき、人はつい「ほかの会社なら…」と理想を求めてしまいます。
特に3年目は転職市場でも「第二新卒」として扱われ、比較的ポテンシャルで勝負できる時期でもあります。
事実、「社会人3年目での転職」は成功しやすいチャンスとの声もあります。
そうした情報を耳にすると、「今が転職の好機では?」と考え、他社への興味が一気に膨らむでしょう。
「もっと評価してくれる会社があるかもしれない」「今の業界とは別のフィールドで活躍したい」という思いが強くなり、現在の職場に留まる意味を見失いがちです。
青い鳥を追い求める気持ちは向上心の表れでもありますが、現職への不満がそれを後押ししている場合、転職への衝動がますます高まっていきます。
結婚・出産などライフイベントによる変化
20代後半から30代に差し掛かる入社3年目頃は、結婚や出産といったライフイベントが現実味を帯びてくる時期でもあります。
実際に「結婚・出産で生活が変わること」が3年目前後で仕事を辞める理由に挙がることもあります。
結婚を機に引っ越しやパートナーの転勤があれば仕事を辞めざるを得ない場合もありますし、出産や育児との両立を考えて職場環境を見直す人もいるでしょう。
ある程度仕事にも慣れ、周囲からも戦力として期待され始める3年目ですが、プライベートの変化が訪れるタイミングでもあるため、キャリアと家庭の両立を改めて考え直すきっかけになります。
特に女性にとって出産は働き方を左右する重大イベントであり、「この職場で産休・育休を取れるだろうか」「子育てしながら続けられるだろうか」といった不安から転職や退職を検討することもあります。
男性であっても、結婚して家族を養う責任が出てきたことで「もっと収入の良い仕事に転職したい」と考えるケースも。
ライフイベントは本人の意志だけでは動かしがたい要因ですから、これをきっかけにキャリアチェンジを図るのは自然な流れと言えるでしょう。
「3年は続けるべき」か、それとも…
「最低3年は今の会社で頑張った方がいい」というアドバイスを一度は聞いたことがあるかもしれません。
実際、あるアンケートでは「とりあえず3年は働いたほうが良い」と考える人が60%以上いたという結果もあります。
3年間続ければ仕事の一通りの経験が積め、自信ややりがいが芽生えてくるというのも一理あります。
しかし、その一方で「3年我慢した結果、時間を無駄にしてしまうリスク」も指摘されています。
長く働くほど辞めづらくなったり、第二新卒としての転職適齢期を逃してしまうという側面もあります。
さらに、合わない仕事を惰性で続ければストレスが蓄積し、本来のパフォーマンスも発揮できません。
要は「3年」という数字にとらわれすぎず、自分のキャリアにとって何がベストかを考えることが重要です。
3年経っても将来に希望が持てず、自分の描くキャリアが実現できなさそうなら、転職を選択肢に入れても良いでしょう。
一方で、3年目でようやく見えてくる景色もあります。
任される仕事が増え、自分なりに工夫して成果を出せるようになるのも3年目以降です。あともう少し続ければ面白さが分かってくる可能性もあります。
結局は、「3年」という期間よりも自分が何を得たいか、どんな将来を描きたいかを軸に判断することが大切なのです。
「辞めたい」と思ったときに取るべき行動
ここまで、入社3日目・3か月目・3年目に仕事を辞めたくなる理由を見てきました。
では実際に「もう辞めたい…」という気持ちが湧いてきたとき、どのように行動すれば良いのでしょうか。
衝動的に退職してしまう前に、次のポイントを押さえて冷静に対処することが大切です。
一人で抱え込まず信頼できる人に相談する
「辞めたい」という思いが募っているときこそ、決して一人で悩みを抱え込まないことが重要です。
まずは家族や友人、先輩など信頼できる人に正直な気持ちを打ち明けてみましょう。
第三者に話すことで、自分の考えが整理されたり、新たな視点からアドバイスをもらえたりするものです。
社内に相談できる先輩や同僚がいれば、「実は今こんなことで悩んでいて…」と打ち明けてみてください。
意外と「自分も新人の頃はそうだったよ」「みんな通る道だよ」といった共感や経験談が聞けて、気持ちが軽くなるかもしれません。
人事担当者や産業医、メンター制度があればプロに相談するのも有効です。
自分だけではないと知るだけでも救われることがあります。
大切なのは、決して自分を責めず、周囲のサポートを借りること。
誰かに話すことで状況が大きく変わる場合もあります。
「なぜ辞めたいのか」を書き出して整理する
感情が先走っているときは、頭の中が混乱し本質的な問題が見えにくくなっています。
そこで一度紙に自分の気持ちを書き出して整理してみましょう。
辞めたいと感じる具体的な場面や理由を箇条書きにし、「なぜそう感じるのか」「その原因は何か」を自己分析してみます。
例えば「上司に怒られて辞めたい」と思っているなら、怒られたこと自体が嫌なのか、自分の成長のなさに落ち込んでいるのか、人前で叱責される職場の雰囲気が苦痛なのか、原因は様々考えられます。
それらを書き出してみると、自分が本当に解決すべき問題が浮かび上がってくるでしょう。場合によっては「辞めたい理由」が実は職場ではなくプライベートのストレスに起因していることもあります。
原因を正確に把握しないと、せっかく転職してもまた同じ悩みに直面する可能性があります。
書き出す作業を通じて、「この問題は転職すれば解決するのか?それとも今の職場で工夫できることはないか?」と冷静に考える材料が得られるはずです。
今の職場で改善できることがないか模索する
辞めたいと思う原因がはっきりしたら、それが今の職場で解決可能かを検討してみましょう。
「残業が多くてつらい」のであれば上司に業務量の相談をしてみる、部署異動を願い出てみる、といった対策が考えられます。
「人間関係が苦痛」なら信頼できる同僚に協力を仰ぐ、あるいは自分からコミュニケーションを取る努力をもう少ししてみる価値があるかもしれません。
一度転職してしまえば元の職場に戻ることは難しいため、今の環境で改善の余地があるなら試してみるに越したことはありません。
実際、環境への不適応が理由であれば時間や慣れが解決してくれる場合も多いもの。
少なくとも半年から1年は様子を見てみる、というのも一つの選択肢でしょう。
ただし、パワハラや明らかな違法状態など自力では改善不可能な問題の場合は、無理に続ける必要はありません。
それ以外の不満であれば、「辞める前にできることはないか?」と視点を変えてみてください。
環境を変えるのはいつでもできますが、一度失った仕事の機会や人間関係は取り戻せないこともあります。
転職は最後の手段と位置づけ、まずは現状でベターな解決策を探ってみる姿勢も大切です。
在職中にひそかに転職活動の準備を始める
色々と対策を講じてもなお「やはりこの職場に未来はない」と感じたら、次の一歩に向けて動き出しましょう。
ただし、感情に任せて勢いで退職してしまうのは避けたいところ。
経済的な不安やブランク期間のリスクを減らすためにも、可能であれば在職中に転職活動の準備を進めるのがおすすめです。
具体的には、転職サイトに登録して市場の求人情報をリサーチしたり、履歴書・職務経歴書を準備したり、スキルアップの勉強を始めたりと、次に備えた行動を密かにスタートさせます。
最近では在職中に転職活動をする人も多く、企業側もその事情は理解しています。
むしろ失業期間を作らずに転職する方が次の企業からの印象も良い場合があります。
忙しい中での求職活動は大変ですが、今の仕事を続けながらの方が経済的・精神的な安定は保ちやすいでしょう。
もちろん現職の業務に支障をきたさないよう、応募先とのやりとりは夜間や休日に行う、面接は有給休暇を取得して臨むなど工夫が必要です。「いつでも辞められる」という保険ができると、現職でのストレスも不思議と軽減されることがあります。
いざとなれば転職できるんだという心の余裕を持つためにも、水面下で準備を進めておく価値はあります。
転職エージェントや求人サイトを活用する
転職を考え始めたら、強い味方になってくれるのが転職支援サービス。
特に転職エージェントは無料でキャリア相談に乗ってくれ、あなたの希望に合った求人を紹介してくれる心強い存在です。
短期間での離職に不安を感じている方こそ、プロの力を借りることで転職を成功させる確率が上がります。
自分一人で手探りで求人を探すより、業界知識を持つアドバイザーに相談する方がミスマッチを避けやすいでしょう。
実際、経験が浅い第二新卒向けの就職・転職支援サービスは近年充実しており、在職中でも気軽に利用できます。
エージェントは応募書類の添削から面接対策、企業との日程調整や条件交渉まで代行してくれるため、仕事で忙しい人でも転職活動を進めやすくなります。
また、一般には公開されない非公開求人を持っていることも多く、思わぬ好条件のオファーに出会えるチャンスもあります。
加えて、自分では確認しづらい企業の内部情報(職場環境や定着率など)も教えてもらえるので、次こそホワイトな環境を選びたいという人には大いに役立つでしょう。
もちろんエージェントだけでなく、大手求人サイトに登録してスカウトを待つのも一つの方法。
複数のサービスを併用して情報収集することで視野が広がり、自分に本当に合ったキャリアを見極める助けになります。
転職支援サービスはあなたの心強い伴走者になってくれるはずですので、遠慮なく活用してみてください。
株式会社アルファ・ネットコンサルティング提供:Talent Match(タレントマッチ)
株式会社アルファ・ネットコンサルティングは、特性やスキルセットを詳細に分析し、その強みや価値を明確に評価するTalent Match(タレントマッチ)というサービスを運営しております。
個々の特性やスキルを把握することで、それを活かせる職種や業界を特定、求人紹介やキャリアフェアなどの手段を活用し、適切な転職先を見つけるお手伝いをします。
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