ある調査によると、20代の社会人で「現在の仕事にやりがいを感じている」と答えた人は約30%にとどまりました。
多くの人が仕事に充実感を見いだせず悩んでいる現状がうかがえます。
本記事では、そもそも「仕事のやりがい」とは何かを解説し、やりがいを感じる瞬間・感じにくい瞬間の具体例を挙げながら、その理由を探ります。
そもそも「仕事のやりがい」とは何か?
仕事のやりがい
「仕事のやりがい」とは、簡単に言えば仕事を通じて得られる充実感や満足感のこと。
単に給料を得るためや生活の安定だけでなく、仕事そのものから得られる手応えや「やって良かった」という達成感を指します。
プロジェクトを終えた後に感じる達成感や、誰かの役に立ったと実感できたときの充足感が、まさに仕事のやりがいにあたります。
やりがいが仕事にもたらすもの
仕事にやりがいを感じられると、日々のモチベーションが高まり、仕事への意欲やパフォーマンスが向上しやすくなります。
実際、「やりがいのある仕事に就けると仕事の質も向上し、スキルアップや人間的成長にもつながる」と指摘されています。
逆に、やりがいが感じられないと仕事自体が苦痛になり、積極性が失われてミスが増えたり、仕事の成果が上がらなくなる恐れが。
その状態が続くと、「明日も頑張ろう」という気持ちが湧かず早期離職や転職につながりやすいとも言われます。
このように、やりがいは働く上で心のエネルギー源となり、長く充実して働くための重要な要素なのです。
人によって異なる「やりがい」の価値観
「やりがい」を感じるポイントは人それぞれで異なります。
ある人は「お客様に感謝されたとき」に最もやりがいを感じ、別の人は「難しい課題をやり遂げたとき」に強い達成感を得るかもしれません。
また、「高い報酬を得られること」に価値を感じる人もいれば、「社会の役に立つ仕事であること」に意義を見出す人も。
実際、「人から感謝される」「自分の興味と一致している」「社会に必要とされている」と感じられる仕事は、その人にとって「やりがいのある仕事」だといえます。
自分にとって何が大切かという価値観や重視するポイントによって、感じるやりがいの種類や大きさも変わってくるのです。
このように「やりがい」の感じ方は十人十色。
したがって、自分にとってのやりがいを知るためには、まず自分自身の価値観を見つめ直すことが大切。
「人の役に立つこと」に喜びを感じるタイプなのか、「新しいことへの挑戦」にワクワクするタイプなのか、といった具合。
自分の軸がわかれば、どんな仕事であればより充実感を得られるか見えてくるでしょう。
お金や安定だけでは得られない心理的充足
仕事から得られるやりがいは、収入や安定性といった外的要因だけでは測れない部分があります。
もちろん給与や雇用の安定も仕事選びで重要な要素ですが、それだけで人は長く高いモチベーションを維持できるとは限りません。
実際、高収入の仕事が必ずしもやりがいにつながるわけではないという調査結果もあります。
お金によるモチベーションは一時的で、いずれ薄れてしまうことも。
一方で、収入がそれほど高くなくても生き生きと働いている人は少なくありません。
その違いは、仕事に内面的な満足感を見いだせているかどうか。
実際に、「目標達成の喜び」や「自己成長」「顧客からの感謝」「上司からの正当な評価」などはお金では買えないやりがいの要素と言われます。
給料は平均的でも、「お客さんに感謝され、自分も社会に貢献できている」と感じられるために充実した表情で働いている人もいます。
その一方で、高給取りでも「自分の仕事が誰の役にも立っていない」と感じて虚しさを抱えている人もいるでしょう。
やりがいは収入以上に主観的な充足感に根ざしたものであり、「自分の心が満たされるかどうか」が重要なのです。
やりがいを感じる瞬間とは
では、どんなときに私たちは仕事でやりがいを感じるのでしょうか?
人によって違いはあるものの、一般的には達成感や感謝されること、成長の実感、社会への貢献、努力が報われることといった要素が挙げられます。
ここでは、若手社会人が感じることの多い「やりがいを感じる瞬間」を具体例とともに解説します。
目標を達成したとき(達成感を得る瞬間)
大きな目標や困難な仕事をやり遂げた瞬間は、仕事のやりがいを強く感じる代表的な場面です。
努力を積み重ねてプロジェクトが成功したり、チームで掲げた目標を達成できたときには、言葉にできない達成感があります。
「自分にもできた」「頑張ってきて良かった」と感じることで、仕事に対する自信や充実感が得られるのです。
例えば、営業職の方なら月間目標の売上を達成できたときに大きなやりがいを感じるでしょう。
実際、20代社会人へのアンケートでも「売上など定量的な成果を上げることができたとき」にやりがいを感じるという声が挙がっています。
締め切りギリギリまで粘って案件を成約させた瞬間や、長期間取り組んだプロジェクトが無事完了した瞬間には、「報われた!」という充足感で心が満たされるものです。
この達成感は次のチャレンジへの意欲にもつながります。
ある若手社員は、大型案件を無事完遂した際に大きな達成感を味わい、「もっと大きなプロジェクトも任せてもらいたい」という前向きな気持ちになったそうです。
仕事における成功体験はやりがいを生む好循環を生み出すきっかけになるのです。
人から感謝されたとき(他者からの感謝)
自分の仕事が誰かの役に立ち、感謝の言葉をもらえたとき、大きなやりがいを感じる人は多いでしょう。
特に20〜30代の若手社会人は、直接「助かったよ」「ありがとう」と言ってもらえた瞬間に、自分の仕事の価値を実感しやすい傾向があります。
自分の労働が人の笑顔や喜びにつながったと感じられることは、仕事を続ける上で大きな励みになります。
例えば、エンジニアの方であればリリースしたサービスに対してユーザーから「便利になった」「助かった」とフィードバックをもらったとき、看護師の方であれば患者さんやご家族から「あなたがいてくれて良かった」と感謝されたときなどが挙げられます。
実際の調査でも「お客様に喜んでもらえたとき」「誰かの役に立っていると感じられたとき」にやりがいを感じるという声が多数寄せられています。
このように他者から直接感謝される体験は、「自分の仕事は無意味ではない。誰かの助けになっている」と実感させてくれます。
その実感が自己肯定感や仕事への誇りとなり、さらなるやりがいにつながっていくのです。特に若手のうちは経験が浅いため不安を感じがちですが、感謝の言葉は「自分の行動は間違っていない」「社会に貢献できている」という確かな手応えを与えてくれるでしょう。
自分の成長を実感できたとき(スキルアップ・成長実感)
仕事を通じて自分自身の成長を感じられたときも、大きなやりがいにつながります。
昨日できなかったことが今日できるようになった、新入社員の頃には太刀打ちできなかった難題を今はこなせるようになった——そうしたスキルアップや成長の実感は、働く喜びの一つ。
若手社会人にとって、成長を実感する機会は自身の自信につながり、仕事への情熱を高める原動力となります。
例えば、入社当初はプレゼンが苦手だった人が、場数を踏むうちに大勢の前でも堂々と提案できるようになったとします。
その瞬間に「自分は確実に成長している」と感じることでしょう。
また、資格取得の勉強を仕事の傍ら続け、念願の資格を取れたときにも大きな達成感と自己成長の実感が得られます。
それは単に資格という成果だけでなく、「忙しい業務と両立しながら成長できた自分」に対する誇らしさでもあります。
実際、「自身の成長」は仕事のやりがいを感じる主要因の一つとされています。
仕事の中で新しい知識や技術を身につけたり、以前よりも効率的・効果的に業務をこなせるようになったりすると、人は「成長できた」という手応えを感じます。
その手応えが充実感や自信となり、さらなる挑戦へと前向きになれるのです。
社会や他者に貢献できていると感じたとき(社会貢献の実感)
自分の仕事が社会全体や誰かの人生に良い影響を与えていると実感できたとき、深いやりがいを覚える人も多いでしょう。
特に近年は「社会貢献性の高い仕事に就きたい」と考える若手も増えており、自分の仕事の成果が社会の役に立っていると感じることは大きなモチベーション源となります。
例えば、自社の製品やサービスが世の中の便利さ向上に貢献していたり、困っている人を支援する事業に携わっていたりする場合、「自分の仕事が誰かの幸福に寄与している」と実感できます。
医療・福祉業界のように直接人の生活を支える仕事でなくても、「自社の技術が環境問題解決に役立っている」「自分のデザインした商品が多くの人に愛用されている」といった形で間接的に社会に良い影響を与えていると感じる場面は少なくありません。
たとえ小さな貢献であっても、「自分の仕事が世の中のプラスになっている」と思えることは、その仕事に取り組む意義や誇りを与えてくれるのです。
どんな職種であれ、目の前の仕事の先にいるお客様や社会全体を意識してみると、自身の仕事の意味を再発見できるでしょう。
努力が正当に評価されたとき(成果が認められる瞬間)
自分の頑張りや成果がきちんと評価・報酬として返ってきたときにも、強いやりがいを感じます。
仕事は時に地道な努力の積み重ねですが、その過程や成果を上司や同僚、お客様が「見ていてくれた」「認めてくれた」と感じられると、大きな満足感と安心感が得られます。
反対に、努力が全く認められない状態だとモチベーションは下がってしまうため、正当な評価を得られること自体が重要なやりがい要素なのです。
例えば、頑張って提案資料を作り込んだ結果、社内コンペで表彰されたり、上司から「君のおかげでプロジェクトがうまくいった」と評価コメントをもらえたりすれば、「努力して良かった」と感じられるでしょう。
また、昇進・昇給といった形で目に見える評価が得られたときも、自分の仕事がきちんと組織に貢献した証としてやりがいを実感できます。
ある20代の社員は、半年間取り組んだ業務改善プロジェクトの成果が社内報で紹介され、「会社に貢献した」と評価を受けたときに大きなやりがいを感じたと言います。
それまでは長時間残業もいとわず頑張ってきたものの不安もあったそうですが、評価という形で報われたことで報酬以上の充実感を得られたそうです。
やりがいを感じにくい瞬間とは
一方で、仕事の中にはやりがいを感じにくい場面や状況も存在します。
「仕事を頑張っているのに達成感がない」「毎日同じことの繰り返しで何のために働いているのかわからない」と感じることはないでしょうか。
一般的に、自分の仕事の成果や貢献が見えない、頑張っても評価されない、成長の機会がないなどの状況では、仕事にやりがいを見いだしにくくなります。
理不尽な対応や不公平な扱いを受けたとき
上司や取引先からの理不尽な要求・対応や、職場の人間関係の不和は、やりがいを失わせる大きな要因です。
真面目に取り組んでいるのに頭ごなしに叱られたり、自分ばかり損な役回りを押し付けられたりすると、「こんなに頑張っているのに報われない」と感じてしまいます。
特に若手社会人にとって、社会人経験が浅い中で不条理な扱いを受けると、仕事そのものに対する意欲が大きく削がれてしまうでしょう。
理不尽な職場環境では、どんなに情熱を持っていてもやりがいを維持することは難しくなります。
心理的安全性が低い職場だとミスを恐れて挑戦できなくなったり、心が疲弊してしまったりして、仕事への熱意が冷めてしまうでしょう。
やりがいは公正で安心できる環境があってこそ育まれるものですから、職場の人間関係や上司からの扱いが理不尽だと感じるとき、やりがいを感じにくくなるのは当然とも言えます。
自分の仕事の成果や影響が見えないとき
自分のやっている仕事の成果が実感できなかったり、誰の役に立っているのかわからないときも、やりがいを感じにくい状況です。
特に大企業の一部門で細分化された業務を担当している場合や、プロジェクトのごく一部だけを任されている場合など、自分の仕事が全体にどう貢献しているのか見えづらいことがあります。
そうすると「自分のやっていることに意味があるのだろうか?」という疑問が湧き、仕事の意義を見失いがちです。
大きな製造ラインの中の単調な検品作業ばかり任されている若手社員が、自分の作業が最終製品の品質にどう影響しているのか知らされていないとしましょう。
そうすると日々ただ流れてくる商品をチェックするだけになり、「この仕事を続ける意味が見いだせない」と感じるかもしれません。
また、企画部でデータ収集や資料作成の補助ばかりしていて、自分の意見やアイデアが最終決定に全く反映されないと感じる場合も、「自分は歯車に過ぎないのでは」と虚しさを覚えてしまうでしょう。
自分の仕事が誰にどう役立っているかが見えない状態では、仕事が単なる作業の繰り返しに感じられ、やりがいを見失ってしまいます。
人は自分の行動の結果やフィードバックを得られることで充実感を得るものです。
そのため、仕事の全体像や成果を共有し合う風土がない職場では、特に若手ほど「何のためにやっているのか分からない…」と感じやすく、モチベーション低下につながります。
努力が評価されず報われないと感じるとき
頑張って成果を出しても正当に評価されなかったり、誰からも認めてもらえないと感じるとき、仕事へのやりがいは大きく損なわれます。
人一倍努力して結果を残したつもりでも、上司から何のフィードバックもなく昇給も無し…という状況が続けば、「こんなに頑張っている意味があるのだろうか」と不安や不満が募ってしまうでしょう。
特に真面目で責任感の強い若手社員ほど、評価されない状況に失望しやすい傾向があります。
成果や努力が認められない状況では、やりがいの源泉である「達成感」や「承認欲求」が満たされず、働く意義を見失ってしまいます。
人は誰しも少なからず他者からの承認を求めるものです。
特に若手のうちは成果に自信が持てない分、周囲からのフィードバックがあることで安心できます。
それが無かったり不当に低く評価されていると感じたりすれば、意欲がしぼんでしまうのも無理はありません。
成長や挑戦の機会が得られないとき
仕事が単調で新たな成長や挑戦の機会が乏しいときも、やりがいを感じにくくなります。毎日同じような作業の繰り返しでスキルアップのチャンスがなかったり、責任ある仕事を任せてもらえず雑用ばかりだと、「このままでいいのだろうか…」という停滞感に苛まれます。
若手社会人は特に成長意欲が高い人が多いため、成長の実感がない状態に強い不満を覚えやすいものです。
新卒で入社して半年経っても雑務やサポート業務ばかりで主要な仕事を任せてもらえない場合、「自分は戦力として期待されていないのでは」と落ち込むかもしれません。
また、長年同じ部署で同じ業務を続けており新しいスキルを身につける機会がないと感じている人も、「この仕事を続けても成長できない」とモチベーションを失いやすいでしょう。
毎日が惰性で過ぎていくように感じられると、やりがいよりも倦怠感が勝ってしまいます。
成長実感や自己啓発の機会の欠如は、若手の離職理由にもなりやすいポイント。
人は少しずつでも昨日の自分より前進していると感じられるときに充実感を得るものです。逆に停滞を感じると、将来に不安を覚え仕事への意義も見失ってしまいます。
仕事の目的や意義を見出せないとき
自分の仕事の目的や存在意義がわからなくなっているときも、やりがいを大きく損なう瞬間です。
与えられた業務をこなすだけの日々で「何のためにこの仕事をしているのだろう?」という疑問が頭をもたげると、働く意義そのものに迷いが生じます。
特に上から言われたことをただ処理するだけの状態が続くと、自分が主体的に働いている感覚を持ちにくく、仕事との心理的な距離が生まれてしまいます。
若手社会人がやりがいを見出すためのヒント
ここまで見てきたように、仕事のやりがいは感じられる瞬間もあれば感じにくい瞬間もあります。
では、今まさにやりがいを見失いかけている若手社会人の方は、どうすれば現状を打開できるでしょうか?
自分にとっての「やりがい」を明確にする
最初に取り組みたいのは、自分にとっての「やりがい」とは何かを見極めること。
人それぞれやりがいの感じ方は異なるため、自分がどんなときにモチベーションが上がるのか、過去の経験を振り返ってみましょう。
まずは自分自身の価値観を見つめ直し、「どういう場面で仕事のやりがいを感じるか」「何に喜びを感じるか」を書き出してみるとよいでしょう。
例えば、「誰かの役に立てたとき」「新しい知識を吸収できたとき」「チームで目標を達成したとき」等、自分が過去にやりがいを感じた瞬間を思い出してリストアップしてみます。
それによって自分が大切にしている価値観や動機が明確になり、現在の仕事でもどんな部分に注目すればやりがいを見出せるかヒントが得られるでしょう。
また、やりがいを見出すには自身の価値観を把握し、明確な目標を持つことが重要。
まずは自分の軸を定めることで、ブレないモチベーションが生まれるはずです。
自分は「人から感謝されること」に喜びを感じるタイプだと分かったなら、今の仕事でも「周囲のサポート役に回ってみる」「お客様と直接関わる機会を増やす」といった行動がやりがいにつながるかもしれません。
逆に「新しいことへの挑戦」が好きなタイプなら、 routineワークの中にも小さな工夫や改善を取り入れてみるなど、今の仕事に自分なりの意義を見出す工夫ができるでしょう。
小さな目標を立てて成功体験を積む
今の仕事でやりがいを感じにくい場合でも、自分で達成可能な小さな目標を設定し、それをクリアしていくことで達成感を積み重ねる方法があります。
大きすぎる目標や遠い将来の夢ばかり見ていると、日々の仕事が退屈に思えたりモチベーションが続かなかったりします。
そこで、手の届く範囲のチャレンジを自分に課し、それを達成するたびに自分を認めてあげるのです。
「今週中に〇〇のスキルを習得する」「今日中に書類整理を完璧に終わらせる」「今月はミスをゼロにする」といったように、すぐ目に見えるゴールを設定します。
そして、それを達成できたら自分で自分を褒めたり、ささやかなご褒美を用意したりしましょう。
たとえ小さなことでも達成したという事実が自信となり、「やればできる」と前向きな気持ちが生まれます。
小さな成功体験の積み重ねが自己効力感(自己評価)を高め、仕事への取り組み姿勢も積極的になっていきます。
ポイントは、「昨日の自分より今日の自分が少しでも前進している」と実感できる状態を作ること。
その積み重ねにより、やがて大きな目標を達成する力もついてきますし、日々の仕事にも張り合いが生まれるでしょう。
フィードバックを前向きに活かす
職場から得られるフィードバックを積極的に受け止め、自分の成長に結び付ける姿勢も、やりがいを取り戻す大切なポイント。
上司や同僚、お客様からの指摘や意見は、ときに耳の痛いものもありますが、それらを前向きに捉えて改善につなげることで達成感や成長実感を得られます。
「叱られてばかりでやりがいがない」と嘆くより、「自分には伸びしろがある」と前向きに解釈してみましょう。
お客様からクレームを受けたときも、「自分の対応のどこを改善できるだろうか」と建設的に捉えることで、次回はスムーズに対応できるようになるかもしれません。
その結果、今度は「助かりました、ありがとう」と感謝を受けることにつながれば、大きなやりがいとなるでしょう。
フィードバックは成長のチャンスと考え、萎縮するのではなく糧にするのがポイント。
日本の企業文化では良いことより悪いことの指摘が多い傾向もありますが、裏を返せば「期待しているからこそ改善を促している」とも言えます。
フィードバックを前向きに活かし続ければ、周囲からの評価も徐々に高まり、やりがいの源泉である「認められている感覚」も増えていくでしょう。
仕事の枠を超えて視野を広げる
今の職場や業務だけに閉じこもらず、社内外で視野を広げる活動もやりがい発見の大きなヒントになります。
社内であれば他部署のプロジェクトに手を挙げて参加してみたり、ボランティア委員会・部活動など社内コミュニティに加わってみたりするのも有効です。
異なる部署の人との繋がりや新たな任務は、新鮮な刺激となりマンネリを打破してくれるでしょう。
また社外でも、業界セミナーに参加したり勉強会や交流会に出向いたりすると、自分の仕事を客観視するきっかけが得られます。
現在の職場での役割にとらわれすぎず、好奇心を持って活動の幅を広げることで、思わぬ形でやりがいを感じる瞬間に出会えるかもしれません。
社外のコミュニティや副業・ボランティアを通じて得た充実感が、本業への意欲を取り戻すきっかけになることもあります。
転職も視野に入れてキャリアを見直す
ここまで紹介したヒントを試してもなお、どうしても今の職場でやりがいを感じられない場合、思い切って環境を変えることも一つの選択肢。
若手社会人の中には、「環境を変えたら驚くほど仕事が楽しくなった」という人も少なくありません。
ただし、安易に転職する前に次の章で述べる「やりがい」を見極めるチェックポイントを確認し、自分にとって本当にやりがいの持てる職場かどうかをしっかり見定めることが大切です。
転職時に「やりがい」を見極めるためのチェックポイント
転職活動において「やりがい」を重視する若手社会人向けに、職場選びの際に確認しておきたいポイントをまとめます。
次の職場ではぜひ充実して働きたいと思うなら、以下の点をしっかりチェックしてみてください。
企業の理念や社会的意義に共感できるか?
その会社の掲げる理念やビジョン、事業内容に自分が共感できるかは重要なポイントです。前述のように、仕事のやりがいは自分の価値観と合致したときに大きく感じられます。
その企業が「何のために存在し、どんな社会貢献を目指しているのか」を調べ、自分の信念や関心と重なる部分があるか考えてみましょう。
環境問題に関心がある人であれば、環境配慮のビジネスを展開している企業やSDGsに積極的に取り組む企業だと、仕事を通じて社会貢献を実感しやすいやりがいある職場と言えます。
逆に理念に全く共感できない企業だと、「会社のために働く意義」が見いだせず、どんな仕事でもやりがいを感じにくいかもしれません。
面接や会社説明資料で企業理念やミッションに触れ、「ここで働くことに誇りを持てそうか?」と自問してみてください。
仕事内容・役割が自分の興味や強みに合致するか?
具体的な仕事内容や担当業務が、自分の興味や得意分野にマッチしているかを確認しましょう。
やりがいは「自分が価値を発揮できる」と思える場面で特に強く感じられます。
募集職種の業務内容をよく読み、自分がワクワクできそうなタスクかどうか、あるいは自分のスキルが活かせそうかを判断します。
人と接するのが好きで得意な人が、ひたすらデータと向き合う分析職に就くとミスマッチでやりがいを感じにくいかもしれません。
一方、クリエイティブな才能を発揮したい人が企画職に就けば、「自分のアイデアが形になる」喜びを得やすいでしょう。
自分の強み(例えば語学力やITスキルなど)が活かせる環境であれば、周囲からも評価されやすく達成感を得られる場面が増えるはずです。
成長できる環境か(キャリアパス・研修制度など)
自分が成長し続けられる環境かどうかも、長期的にやりがいを感じられる職場か見極める重要なポイントです。
若手のうちは特に、キャリアパスの展望や研修・教育制度が整っているかを確認しておきましょう。
将来的な昇進機会やジョブローテーションの有無、資格取得支援やスキル研修の制度などを調べることで、その会社でどのように成長できそうかが見えてきます。
成果が適切に評価される社風か?
社員の頑張りや成果に対して適切にフィードバックや報酬を与える文化があるかどうかも重要です。
やりがいを感じ続けるには、公正な評価や承認が欠かせません。
そこで、応募企業の評価制度や社風をチェックしましょう。
口コミサイトやOB訪問などで社員の声を集め、「評価が公平」「上司がきちんと見てくれる」といった意見があるか探ってみるのも一つ。
面接で直接「御社では成果に対してどのようにフィードバックしていますか?」と尋ねても良いでしょう。
自分の努力が埋もれず報われる環境であれば、長く高いモチベーションを保ちやすくなるに違いありません。
「やりがい搾取」にならない適正な待遇か
注意したいのは、いわゆる「やりがい搾取」に陥らないかという点です。
「うちはやりがいのある職場だよ!」とアピールしながら、実態は低賃金・長時間労働を社員に強いるような企業も残念ながら存在します。
やりがいは大切ですが、劣悪な待遇を我慢することと引き換えにすべきものではありません。
その会社の初任給や平均残業時間、有給消化率などの基本的な待遇面もしっかり確認しましょう。
極端に給与水準が低かったり残業が多すぎたりする場合、「ここで身を粉にすることが本当に自分のためになるのか?」と立ち止まって考えるべきです。
特に人手不足の業界などでは「やりがいがある仕事だから多少の無理は当たり前」という風潮でブラック労働を強いるケースがあると指摘されています。
「体力に自信のある方歓迎」「情熱のある方求む」といったキーワードが並びつつ給与が極端に低い場合や、面接で「忙しいけど皆やりがいを持って頑張っている」と残業の多さを暗に正当化する発言が出た場合などは注意信号。
自分の生活や健康を犠牲にしなければ成り立たないような職場では、最初はやりがいを感じても長続きしません。
やりがいと待遇は両立しうるもの。
「経営が厳しいけれど社会貢献度は高いから」と奉仕を強要するような企業には注意し、労働条件も含めて納得できる職場を選びましょう。
適正な待遇の上に成り立つやりがいこそが、長く健全に働ける職場の条件です。
株式会社アルファ・ネットコンサルティング提供:Talent Match(タレントマッチ)
株式会社アルファ・ネットコンサルティングは、特性やスキルセットを詳細に分析し、その強みや価値を明確に評価するTalent Match(タレントマッチ)というサービスを運営しております。
個々の特性やスキルを把握することで、それを活かせる職種や業界を特定、求人紹介やキャリアフェアなどの手段を活用し、適切な転職先を見つけるお手伝いをします。
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