雇用の流動化が注目されている中、政府も転職を支援する動きが高まっています。
リスキリングを行うための助成金の仕組みを整えたり、しれませんが退職金の扱いを従来から変えることを検討したりと、転職を肯定的に捉えるトレンドは今後も続くことが予想されます。
日本の雇用に関する考え方はアメリカをモデルにすると言われており、今の日本で終身雇用の考えが軸にあるのも、かつてのアメリカでは終身雇用の考えが一般的だったからです。
しかし、産業の形態が変わると終身雇用の考えが崩壊するようになりました。
製造業を中心とした産業から第三次・第四次産業へと移行する過程で、少しずつ成長産業へ人が集まることが一般化されたのです。
アメリカでは転職が当然になっているという現実から、日本も転職しやすい環境を整えていくことは企業にとっても政府にとってもメガトレンドとしていくことでしょう。
しかし、そうした転職が必ずしも上手くいくとは限りません。
転職先とのミスマッチはよく起こりうる問題で、求職者と企業文化の不一致問題は永遠の命題かもしれません。
本記事では、転職による求職者を採用する側と転職を希望する方へ双方の視点から見た転職後のミスマッチの原因とその防ぎ方について解説しています。
転職でミスマッチが生じてしまう原因・理由
転職でミスマッチが生じてしまう原因は求職者側の問題であるケースもあれば、採用する企業側にあるケースもあります。
まずは一人称で自分に原因がないかを分析し、その欠点に目を向けるところからスタートさせるのが重要です。
求職者が自己分析をできていない
転職後のミスマッチの原因でよく取りあげられるのが、求職者側の自己分析不足です。
「自分のことを自分でよく知る」
これが自己分析の基本ですが、これができていない求職者は結構多いようです。
-
自分の得意・長所・短所
-
自分が重視している価値観
-
今後の人生設計
など、やや抽象的なこれらの質問を投げかけられたときに即答できる求職者はどのぐらいいるでしょうか。
自己分析ができていない求職者に共通している危険な転職の動機があります。
それは、転職理由が「今の会社よりも条件がいいところならいい」という漠然としたものです。
SNSによるマウント合戦に代表されるように、このよう好条件だけを目的にした転職にはゴールがありません。
転職後にも、よりよい条件だけを探し求めて転職活動をするのが関の山です。
好条件の求人に応募することは悪いことではありません。
むしろ重要視する内容の一つです。
しかし、自分の価値観と真剣に向き合って、自分軸を作り上げる自己分析なくして、充実した職業人生を送ることはできません。
自分が望むキャリア設計、生活を満たすために何が必要なのか、真剣に自分自身と向き合う時間を確保することをおすすめします。
「忙しさ」を理由に、目の前の好条件に見える案件しか視野に入っていないと感じる場合には少し冷静になってみましょう。
求職者が企業情報を収集できていない
求職者が企業の情報集がしきれていないというのもミスマッチの原因になり得ます。
転職をする際には自己分析を通じて、自分が求める理想の職場を追いかけるはずです。
転職しようと思っている企業が、自分の理想と一致しているのか、情報を集めるようにしましょう。
情報収集ができない場合には、企業が情報を開示していないものもあるため、ホームページだけでは限界があります。
企業の関係者に直接話を聞いたり、面接での逆質問などを有効活用したりすることも重要です。
求めるスキルが現場のレベルに到達していない
実用的なスキルを確認してから採用を決める企業は少ないでしょう。
しかし、求職者が持っているスキルと企業サイドが求めているスキルの乖離は転職後のミスマッチに十分なり得ます。
企業側にとっては期待した求職者のスキルの低さに落胆し、それが本人に伝わってしまうことで人間関係にも問題が生じるかもしれません。
そのため、採用する企業側には、書類や面接のような表面的なものではなく、実績にまで踏み込んだ確認を入社前にしておくことが求められます。
入社後研修に問題がある
入社後研修に問題があるケースもミスマッチの要因になります。
この問題は採用する企業側の問題であることがほとんどです。
どれだけのスキルを有した求職者であっても、企業文化や仕事の流れなど、入社初期は転職先の企業の仕事のやり方を覚える必要があります。
スキルを習得するだけが研修・サポートではなく、企業文化に馴染んでもらうことも採用企業側の重要な役割です。
入社後のサポートが充実していないと感じ取られてしまうと、本来ミスマッチではないはずの転職採用者が、ミスマッチに思ってしまうことがあります。
教育担当者をつけ、スキル以外の面でも育成を続けていくことが大切です。
転職によるミスマッチ内容
転職によってミスマッチを生じさせないことが重要ですが、実際には転職採用後のミスマッチが起きてしまうことも事実です。
多くの場合、ミスマッチの内容は
- 給料などの待遇面
- 人間関係
- 業務の内容
- 労働環境
のいずれかに集約されることが多いでしょう。
給料などの待遇面
給料などの待遇面は転職失敗談に最も多く含まれます。
転職後の給料には問題がない場合でも、長い目で見たキャリア形成と昇給という観点で盲点となっていた転職者は少なくありません。
人事評価や昇給は採用前や入社直後には分からないことが多いからです。
気になることは実際に入社する前に聞いておき、メールなどの文書に残して回答をもらうことを徹底しましょう。
転職時の給料だけでなく、その後の昇給まで考えた収入・キャリア形成を総合的に判断するようにすることも大切です。
人間関係
実際に入社してからでないと分からないものが人間関係。
逆質問を活用しても、HPで情報収集しても、その職場の人にしか分からない雰囲気はあるものです。
しかし、この人間関係の問題を突き詰めていくと、
- 自分と趣味・趣向が同じ人がいない
- 話が合わない
- 自分と性格や価値観が一致しない
- コミュニケーションがとりにくい
などの理由が含まれているケースもあります。
職場は仕事をするための場所であって、コミュニケーションも人間関係も仕事をするためのものに他なりません。
転職によって新しくなった職場にコミュニケーションの壁を感じる場合には、無理にコミュニケーションをとろうとするのではなく、仕事に打ち込むことで周囲を巻き込んでいけるような存在を目指しましょう。
真剣に取り組んでいるときに困ったことがあれば、周囲の人たちも手を差し伸べてくれるはずです。
仕事を通じた仕事のためのコミュニケーションをとるためには、仕事に真剣に取り組むことが大切です。
業務の内容
前の職場で自分がやりたい仕事ができないことを理由に転職を考えた人もいるでしょう。
自分が好きなことだけに取り組むのは難しいかもしれませんが、大きなミスマッチを防ぐためには入社後にどのような業務内容を割り当てられるのかは確認しておくことが重要です。
労働環境
労働環境の実態も、転職後のミスマッチにつながる要素の一つです。
いわゆるブラック企業と呼ばれる企業が存在することも事実です。
業界や企業の内部事情は転職者個人が情報を集めるには限界があります。
転職エージェントを活用したり、その業界・企業に詳しい人に情報提供したりしてもらうことは必須と言えるでしょう。
人手不足が慢性化している企業では労働環境も劣悪になりやすい傾向があります。
労働環境として、
- ハラスメント問題
- 長時間労働
- 休日日数
- 職場までの通勤時間
など、自分のプライベートにまで大きく影響を与えそうなものは予めピックアップしておき、疑問をしっかり解消しておくことをおすすめします。
また、仕事に強いこだわりがある職人気質の方の場合には、企業で導入している機材（パソコンを使う場合にはOSなど）などについても調べておくといいかもしれません。
求職者がやるべき転職ミスマッチを防ぐ対応策5選
求職者が転職のミスマッチを防ぐ方法を紹介します。
ここでは以下の5つの観点から、転職後のミスマッチを防ぐ方法について解説しています。
①自己分析
②転職目的の明文化
③業界と企業の研究
④面接時の逆質問を利用する
⑤内定後の条件確認
自己分析
ミスマッチなく転職を成功させるには自己分析が必要不可欠です。
自己分析の際には、まずは自分が求めているもの・本当にやりたいこと・譲れないことを書きだしてみましょう。
いくつかピックアップしたら、自分の中で一番譲れないものを決め、妥協できるものと妥協できないものに振り分けていきます。
ここで決めたものを「転職の軸」とするわけです。
具体的な自己分析の手順は以下の順番で行います。
①過去のキャリアを振り返り、自分にとって本当にやりたいことを探す
②転職をした後に自分が望む職場環境や条件を探す
③今の自分に何ができるのか、何ができないのかを明確にする
④自分に欠けているスキルを補うための具体策を考える
しっかりと落ち着いた時間をとって自己分析をすることが大事です。
忙しいという理由で、いい加減な自己分析にならないように注意しましょう。
転職目的の明文化
自己分析の項目と似ていますが、そもそも「転職」をしようと考えたきっかけは何でしょうか。
その理由を明文化しておくことが重要です。
自分が譲れない「転職の軸」が明文化されていれば、転職後のミスマッチの可能性は小さくなります。
業界と企業の研究
自己分析が進んだら、次は業界や企業の分析を行います。
転職活動時には、企業研究よりも、まずは業界研究を優先させてください。
業界全体の動向が分かれば、現在の自分の勤め先企業が業界水準と比較してどうなのかが分かるからです。
仕事内容を重視する場合には転職の必要性がなくなるかもしれませんし、待遇をこれ以上に望む場合には、業界ごと変える必要が出てくるかもしれません。
企業や業界の情報を集める場合には、
- 求人広告や募集要項
- 企業のホームページ
- 口コミサイト
などが考えられます。
求人広告や募集要項では、基本的な労働条件（給料・業務内容・勤務時間・勤務地など）を調べることができます。
企業のホームページからはIR情報が掲載されていれば参考にすることができます。
採用特設ページを設けている場合には、求める人物像が分かるかもしれません。
口コミサイトの活用も有効です。
口コミサイトの書き込みは、その企業に勤めたことがある人、あるいは勤めている人が書いていることがほとんどです。
内情を知っているからこそ書ける情報があるので、かなり質の高い情報が含まれます。
一方で、一個人が大袈裟に表現することがある点には注意が必要です。
複数の投稿を比較して、大多数がどのように感じているのかを冷静に判断できるようにしましょう。
面接時の逆質問を活用する
面接時の逆質問もミスマッチを防ぐうえで大切です。
採用面接の最後に、担当者から「質問はありますか？」と聞かれることが一般的だと思います。
そのときに、自分が気になっている部分を質問しましょう。
2つのケースを例にして、逆質問の例を書いておきますので、参考にしてください。
ただし、調べれば分かるようなことをこのタイミングで質問するのはNGです。
ケース別逆質問の具体例
- 業務内容・抱えている顧客層に関する逆質問
【逆質問例①】
「今（前）の職場では○○のようなお客様が多いのですが、御社が取引しているお客様にはどのような方が多いでしょうか。また、そのようなお客様に対して身に付けておくべきスキルなどはありますか。」
※前向きな質問であるのと同時に、転職後の職場に自分のストレス耐性で仕事が続けられそうかどうかが伺えます。
【逆質問例②】
「私が前職で行っていた業務は○○です。御社の○○事業であれば私の過去の経験やスキルを活かすことが可能ではないかと考えているのですが、実際に関わらせていただくことは可能でしょうか。
※業務内容のミスマッチを防ぐためにも、入社後の業務内容について質問できる範囲で質問することが望ましいです。 -
社内の労働環境を知るための逆質問
【逆質問例①】
「○○部署の1日のスケジュール、1週間の流れはどのようになっているのでしょうか。」
※就労環境についての逆質問はNGであると言われていますが、質問の仕方によっては好印象を与えることもあります。
ストレートに、「週休2日は本当なのか」「有給休暇は取りやすいのか」のような質問の仕方ではなく、質問の切り口を変えてみましょう。【逆質問例②】
「実績と年齢によって給与が決まるということでしたが、私と同世代の方の場合、平均して年収はどのぐらいの方が多いでしょうか。」
※給与については逆質問をしにくい内容かもしれません。
転職エージェントなどの仲介業者を利用することによって年収の交渉などを引き受けてくれることもありますので、面接での逆質問をしにくいという方はお願いしてしまうこともおすすめです。
内定後の条件最終確認
内定後の条件の最終確認をしないと、ミスマッチにつながる可能性があります。
内定後の条件については、書面で残るような形で確認するようにしましょう。
口頭のみでのやりとりは記録が残らないため、絶対にやってはいけません。
転職ミスマッチの原因の根底にあるのは、自分の希望と現実のギャップから生じるものです。
内定をもらったからと言って、必ずしもその企業に入社することを決めなければならないわけではありません。
条件の確認項目としては、最低限以下のものは確認しておきましょう。
- 入社日・契約期間・試用期間
- 勤務場所
- 業務内容
- 始業時間と終業時間・休憩時間・休日・休暇
- 月給、日給、時給、成果報酬、賞与などの給与面と支給日
- 昇給の有無・手当・割増賃金など
文面で記録が残る形で労働条件の確認を行ったら、採用担当者へ内定を正式に承諾するか、辞退の連絡を入れます。
確認の方法が不安な場合には、転職エージェントや転職を支援してくれる人たちに頼るのも効果的です。
転職を支援する人たちは転職先の企業から成果報酬を受け取っている場合もあり、転職希望者は無料で利用できるものも増えてきています。
条件を全部知ったうえで転職するかどうかを決めることができるので、転職希望者は有利な条件で転職活動を進めることができるでしょう。
転職後にどうしてもミスマッチだと感じたら？
どれだけ細心の注意を払って転職活動を行い、実際に転職したとしてもミスマッチを防ぎきれない場合もあります。
そのような時の対応方法について紹介していきます。
期限を決めて、その期間は全力で仕事をする
転職後すぐに、「合わない」と肌で感じることもあるかもしれません。
これは今まで勤めていた会社との企業文化のズレが原因であることも多く、時間が経過すれば馴染むことができるものも多く含まれます。
最初から転職に失敗してミスマッチを起こしていると考えるのではなく、真剣に仕事に打ち込むことで、環境に馴染める可能性もあります。
自分でミスマッチであると感じたら、そう感じた原因を突き詰めるようにしましょう。
すぐに突き詰めることができない場合には、期限を決めて、その期間は全力で目の前の仕事に集中してください。
目の前の自分で出来ることを地道にこなしていくことが、解決につながる場合もあります。
転職後の転職というリスクを考える
中途半端に転職を繰り返していくと、転職希望先の企業の採用側もより慎重に採用活動をするようになります。
自分のキャリアアップ、自分のスキルを他の企業でも存分に発揮したいというような前向きな理由で転職を繰り返している人であれば別ですが、「自分に合わない」「昇給が遅い」など自助努力をしない状態で不平・不満ばかりを口にするような人を採用側は警戒します。
どのような動機で転職を考えているのか、採用されなくなるリスクは自分にはないのか、この辺りを冷静に分析していくことが大切です。
最優先は心身の健康状態
自助努力で乗り切ることが必要なことはあります。
しかし、最優先するべきは心身の健康状態であることは言うまでもありません。
転職してから
- 寝つき、寝起きが悪くなった
-
息切れが続くようになった
-
特定の状況下で心拍数があがり、極度の緊張状態になる
など、明らかな変化を感じる場合には、心身がSOSを発している可能性が高いです。
うつ病など、精神疾患になってしまえば、それこそ転職どころか復職することも難しくなるケースもあります。
自分が許容できると思っている許容度はすでに限界を超えていることも多々あります。
限界のボーダーラインは明確にしておくようにしましょう。
採用側がやるべき転職ミスマッチを防ぐ対応策5選
ミスマッチは求職者側だけに問題があって起きるものではありません。
採用企業側にできる転職のミスマッチを防ぐ対応策を5つ紹介します。
会社の現状をオープンにする
会社の現状を隠さずにオープンにすることは、ミスマッチ防止策の基本です。
透明性のある組織にはブランド力がつきます。
結果的に優秀な人材を集めることもでき、開示された情報をもとにして候補者が集まってくるので、ミスマッチも起こしにくいものです。
オープンになっている情報についての質問も候補者からあがりにくくなるという点で採用活動をスムーズに進めることもでき、時間短縮にも寄与します。
リファラル採用を検討する
リファラル採用とは、企業が従業員や元従業員など既存のつながりを通じて新しい従業員を採用する方式のことです。
極論すると、「紹介制度」ということになります。
既存の従業員が紹介した候補者は、組織文化に適合しやすい傾向があり、組織内での適合度が向上する可能性が期待できます。
求職者とのポジション・キャリアイメージのすり合わせをする
求職者が転職先で考えているポジションや役割、今後のキャリアイメージと採用側が求めているものにズレが生じているとミスマッチにつながります。
企業が求めている現場での活躍イメージと、求職者がやりたい自己実現の像は採用前に明確にしておくことがいいでしょう。
採用に足るスキルや経験・能力があったとしても、このイメージに乖離がある場合は社員の定着に希望はもてません。
活躍するイメージは内定通知の際の最後の段階で確認してすり合わせることが一般的です。
採用基準を揺らさない
誰が採用担当になっても評価基準が一定になるような面接を「構造化面接」と呼びます。
公正な評価基準をもつことによって、採用担当間の経験や力量に頼ることのない再現性の高い面接を行うことが可能になります。
また、採用基準を揺らさずに採用活動を続けていけば、ミスマッチを起こした人材の共通点も見つけやすくなるというメリットもあります。
カジュアル面談の活用
カジュアル面談（Casual Interviews）は、採用プロセスの一環として候補者と面談する方法の一つです。
通常、カジュアル面談はフォーマルな面接よりもリラックスした雰囲気で行われ、候補者と面接官とのコミュニケーションを重視します。
カジュアル面談の内容は求職者の価値観を知ろうとするものであって、オフィスの中で格式ばった雰囲気で行うものではありません。
面談の方法・場所はビデオチャット、レストランやカフェなど、自由に設定されることも多く、服装についてもカジュアルな服装で実施する企業も増えています。
本音を引き出すことが目的であって、文化の適合性をみるための判断材料の一つとして活用でき、ミスマッチを防ぐうえでの役割は大きいです。
採用活動の一環であり、これだけで採用の可否を決めることはありませんが、求職者の本音を知り、価値観を知っておくことで転職後のミスマッチを防ぐことができます。
適性テストの実施
適性テストは候補者の仕事への適応能力を予測するのに役立ち、実際の業務に関連する課題やシミュレーションを通じて、候補者が新しい職場環境にどれだけ適応できるかを評価できます。
どれだけ構造化した面接であっても主観的な要素で採用の可否を決める部分は生じてしまいますが、適性テストの結果は採用した理由を客観的に裏付けるものにもなります。
インターンシップの開催と活用
インターンシップは、求職者が特定の企業や業界の職場文化にどれだけ適応できるかを評価する機会です。
職場文化は、働く環境や価値観、チームのコミュニケーションスタイルなど、非常に重要な要素です。
インターンシップを通じて、求職者は実際の職場での振る舞いやコミュニケーションスキルを向上させ、自分がその職場に適合するかどうかを評価できます。
これにより、転職後に職場の文化に適応できない可能性を事前に減少させ、ミスマッチを防げます。
求めるキャリアパスが本当に自分に合致しているかどうかを確認することもできるインターンシップは、転職ミスマッチを防ぐために極めて重要です。
インターンシップは、新卒だけでなく、社会人対象になっているものもありますので、活用できる場合には積極的に活用してみましょう。
転職エージェントの活用
転職活動を行う際に転職エージェントを活用することは半ば常識になっています。
転職ミスマッチが生じてしまう原因はすべて「情報不足」。
これに尽きるのです。
したがって、求職者、企業側の双方が欲しい情報をすべて手に入れることができれば、転職ミスマッチの問題の9割は解決したと言っても過言ではありません。
両者の情報をしっかりと把握することができる立場にあるのが転職エージェントです。
転職エージェントには求職者と企業、両者の本音が集まります。
活用することでミスマッチが防げる確率が上がるのは言うまでもないでしょう。
まとめ：転職でミスマッチを防ぐために
求職者が転職でミスマッチを起こしてしまうことは、企業にとっても、求職者自身にとっても、周りの人たちへの影響を考えてもいいことはありません。
転職でミスマッチを防ぐためには、求職者側にも企業側にも求められる責任があります。
求職者側は転職活動をするにあたって、
- 自己分析の精度をあげる
- 企業の情報収集を入念に行う
など、基本的なことを抑えましょう。
企業側には
- 信憑性のある正確な情報の開示
- 求職者の価値観と企業文化の相性の見極め
- 採用後の研修やサポートの充実
- 労働条件や労働環境の整備
が求められてきます。
入社後のギャップが小さければ小さいほど転職は成功しやすくなります。
採用者側にも、応募者側にもメリットのある転職活動をしていきましょう。
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