転職活動に必要なお金・貯金はいくら?仕事を辞める前に知りたい転職にかかる費用

転職活動には、履歴書の作成や面接の交通費、資格取得など、さまざまな費用がかかります。
本記事では、転職活動に必要なお金や貯金について、具体的な金額の目安や支出項目を分かりやすく解説します。

 

これから転職を考えている方が、お金や貯金を気にせずに転職活動を進められるよう、役立つ情報を提供しまので、参考にしてください。

転職活動をするのに貯金は必要?

転職活動を始める際、貯金が必要かどうかは大きなポイント。
特に退職後に転職活動をする場合、収入源が失業給付金と貯金のみとなるため、生活費や転職にかかる費用をしっかりと計算しておくことが重要です。

 

失業給付金はすぐに受け取れるわけではなく、1~4カ月の待機期間があるため、その間を支えるだけの貯金が必要です。
反対に、在職中に転職活動を行う場合でも、面接交通費や履歴書作成費用など、少なくとも10万円程度の貯金があると安心です。

さらに、引っ越しを伴う転職では、家賃や引っ越し費用などが追加で発生するため、資金計画はより慎重に行う必要があります。
特に、遠方への転職活動では交通費もかさみやすく、十分な貯金がないと焦りが生じ、結果的に妥協した選択をしてしまう可能性があります。
理想的には、在職中に転職活動を進め、次の職場が決まるまで現在の仕事を続けることで、安心して転職を進めることができます。

長期にわたって転職活動が続いた場合の貯金額の目安

一般的に、転職活動は3ヵ月ほどで終わるとされていますが、思うように進まず長引くこともあります。
そのため、最低でも1年間は収入がなくても生活できる貯金を蓄えておくことが理想的です。

 

貯金額の目安を計算する際には、1年間の生活費に加え、転職活動にかかる費用を考慮し、さらに失業保険の給付額を差し引いた金額を目標としましょう。
例えば、月々の生活費と転職活動費の合計が20万円で、失業保険として60万円受け取れる場合、必要な貯金額は240万円から60万円を引いた180万円となります。

 

ただし、転職活動が半年で済むなら、その分必要な貯金額も減ります。
重要なのは、転職活動が長引いた場合でも、焦らずに自分に合った仕事を見つけるために、十分な資金を確保しておくことです。

転職活動~転職にかかる費用

転職活動には様々な費用がかかります。
事前にどのような費用が発生するかを把握しておくことで、計画的に進めることができます。

基礎生活費

基礎生活費は、転職活動が長期化した際に最も重要な項目の一つ。
家賃や光熱費、食費などは、生活を維持するために必ず必要となる費用です。
2023年度の家計調査によると、1人暮らしの1ヶ月あたりの平均生活費は約167,620円です。

これには、家賃が大きな割合を占めており、家賃だけでも5万円から8万円程度かかることが多いです。
このため、3ヶ月間の生活費を見積もると、最低でも50万円程度が必要となります。

※家計調査報告 2023年(令和5年)平均結果の概要

交通費

面接や企業説明会への参加、さらには転職エージェントとの面談など、移動が必要なシーンは多く発生します。
都市部であれば、1回の面接にかかる交通費は往復で1,000円前後に抑えられることが一般的ですが、地方に住んでいる場合や遠方の企業への応募を考えている場合、交通費は大きく跳ね上がる可能性があります。

 

例えば、新幹線や飛行機を利用する場合、一度の移動で数万円の費用がかかることも珍しくありません。
また、複数回の面接を受ける場合、その度に交通費がかかるため、予想以上に費用が膨らむことも考慮しておくべきです。
転職活動が長期化した場合、交通費が累積して大きな負担となることもあるため、事前に余裕を持った予算を組んでおくことが重要です。

資格取得にかかる費用

転職を成功させるために、資格を取得することが求められる場合があります。
資格取得には、受験料や教材費、さらには講座の受講料などが必要です。特に専門性の高い資格や難易度の高い試験では、費用も高額になることがあります。

 

また、資格を取得することで、転職後のキャリアアップにも繋がるため、投資として考えることも大切です。
しかし、費用だけでなく、資格取得にかかる時間や労力も考慮し、無理のない範囲で計画を立てることが重要です。

履歴書やスーツなどの準備費

履歴書や職務経歴書の準備費用は、転職活動において意外と見落とされがちですが、長期にわたる活動では確実に積み重なる出費。
履歴書自体の費用はそれほど高額ではありませんが、複数の企業に応募する場合、その都度印刷や郵送費が発生します。

 

履歴書に添付する証明写真の撮影費用も必要。
証明写真はクオリティの高いものを選ぶべきで、撮影費用は2,000円〜3,000円程度が相場です。

 

また、応募先企業によっては職務経歴書や自己PR資料なども求められることがあり、その作成や印刷にも費用がかかります。
また、私服勤務可能な職場からスーツ着用が求められる職場に転職する場合、スーツやカバンの購入費用も必要になるでしょう。

リモート面接にかかるインフラ費用

リモート面接が増えている昨今、交通費を抑えられる一方で、インフラ費用がかかる点に注意が必要です。
リモート面接をスムーズに行うためには、信頼性の高いパソコンと安定したインターネット環境が不可欠。

 

もしこれらを既に持っていない場合、新たに購入する必要があり、その費用は無視できません。
パソコンは性能により価格が異なりますが、一般的には10万円前後が目安です。
また、Wi-Fiルーターやインターネット回線の契約にも1万円から2万円程度かかることが一般的です。

 

リモート面接を行う際には、カフェや公共の場所でのフリーWi-Fiの使用は避け、自宅などの静かで安定した場所で行いましょう。

これらのインフラ費用は、リモート面接の準備に必要不可欠なものであり、長期的な転職活動を行う際には、予算に組み込んでおくことが重要です。

引っ越し費用

転職によって新しい職場が遠方にある場合、引っ越しが必要になることがあります。
この引っ越し費用は、転職活動における大きな出費の一つ。
引っ越し代だけでなく、新居の敷金や礼金、初期費用、さらには家具や家電の購入費用など、合計するとかなりの額になることがあります。
例えば、都内の家賃が月70,000円のワンルームに引っ越す場合、敷金・礼金や引っ越し業者の費用などを含めると、30万円以上の出費が必要になることが一般的。

 

さらに、遠方への引っ越しでは、移動距離や荷物の量によって引っ越し業者の費用が増加することもあります。
新しい環境に適応するための生活用品や、地域の状況に合わせた家電の購入も必要になることが多いです。

退職後の場合:住民税、年金などの社会保険料

退職後に忘れがちなのが、住民税や国民年金、健康保険といった社会保険料の支払いです。会社員として働いていたときは、これらの費用は給料から自動的に天引きされていたため、あまり意識することがなかったかもしれません。

 

しかし、退職後はこれらの費用を自分で支払う必要があります。
例えば、住民税は前年の収入に基づいて課税されるため、退職後も一定の額を支払う必要があります。
また、国民年金は月々約16,000円(2023年時点)で、健康保険料も収入に応じて負担が生じます。

 

これらの支出は、収入がない状況でも継続的に発生するため、長期にわたる転職活動を計画する際には、これらの社会保険料を含めた貯金計画を立てることが重要です。
支払いが滞ると将来的な年金受給に影響を及ぼす可能性もあるため、忘れずに計画的に支払いを続けることが大切です。

転職サイトやエージェントの利用にかかる費用

転職活動を進める際、転職サイトやエージェントを利用することは一般的ですが、それぞれにかかる費用や仕組みを理解しておくことが重要です。
ここでは、有料プランや手数料について解説します。

転職サイトの有料プランの利用費用

転職サイトには、基本的な機能が無料で利用できるものが多いですが、より充実したサポートや特典を受けるための有料プランを用意しているところもあります。
有料プランを利用することで、履歴書や職務経歴書の添削サービス、応募先企業の詳細な情報提供、優先的な求人紹介などの特典を受けられる場合があります。

 

その費用はサイトによって異なりますが、月額数千円から数万円程度が相場です。
有料プランを利用する際には、自己投資としての価値を見極め、転職活動の効率化にどれだけ寄与するかを考慮して選ぶことが大切です。

転職エージェントの手数料の仕組み

転職エージェントを利用する際、手数料について気になる方も多いでしょう。
通常、転職エージェントのサービスは、求職者側からの手数料を徴収することはなく、企業側が採用成功時にエージェントに手数料を支払う仕組みになっています。

 

手数料は、採用された求職者の年収の20%~35%程度が一般的です。
この手数料は企業が負担するため、求職者に直接的な費用負担はありません。
しかし、転職エージェントは、この手数料を前提に企業との契約を結んでいるため、求職者がその金額に見合う人材として評価されるよう、エージェントからも積極的なサポートを受けることができます。

エージェントの無料サービスと有料サービスの違い

転職エージェントは、基本的に無料で利用できるサービスが多いですが、一部のエージェントでは有料のプレミアムサービスも提供しています。

無料サービスでは、一般的な求人紹介やキャリア相談が中心となりますが、有料サービスでは、より個別に特化したサポートが受けられることがあります。
例えば、キャリアカウンセリングの回数が増えたり、非公開求人の紹介があったり、履歴書のプロによる徹底的な添削を受けられるなど、転職活動の成功率を高めるための手厚いサポートが提供されます。

 

有料サービスの費用は数万円から十数万円と幅がありますが、転職活動を短期間で成功させたい場合や、特定の業界で確実にステップアップを目指す場合には、検討の価値があります。

貯金・お金がないけど転職したい人の解決策

貯金が少ない中で転職活動を成功させるためには、失業手当やオンライン面接の活用など、効率的な方法を選ぶこともできます。

機材がそろっているならオンライン面接が可能な会社を選択肢に入れる

オンライン面接を利用することで、交通費を節約できるだけでなく、移動にかかる時間を削減し、効率的に複数の企業に応募することができます。

また、自宅から面接を受けることで、リラックスした状態で臨むことができ、時間的な柔軟性も高まります。
特に、パソコンやスマホ、タブレットなどの機材が整っている場合、オンライン面接を選ぶことはコストパフォーマンスの高い選択肢になるでしょう。

面接でスーツなどをそろえる必要がない会社を選択肢に入れる

スーツやビジネスバッグ、革靴などを新たに購入するとなると、数万円の出費がかかることがあります。
しかし、普段着での面接を許可している会社であれば、これらの費用を節約することが可能です。
また、在職中に転職活動を進めている場合、スーツを着て出勤することなく、周囲に気づかれずに面接を受けられるメリットもあります。

 

ただし、普段着OKの面接でも、ビジネスカジュアルを意識した清潔感のある服装を選ぶことが大切です。
カジュアルな服装が許されているからといって、ラフすぎる服装で面接に臨むのは避けましょう。
また、節約目的で普段着での面接を選ぶ際も、会社の仕事内容や勤務条件を十分に検討することを忘れずに。

採用選考の日程をなるべくまとめる

複数の企業で面接を受ける場合、同じ日に複数の面接を予定することで、交通費や移動時間を大幅に削減できます。
遠方への移動が必要な場合、飛行機や新幹線を利用することもあるでしょうが、日程をまとめることで、一度の移動で複数の面接をこなせるため、効率的に時間とお金を節約できます。

 

しかし、日程をまとめる際には注意が必要です。
企業側から指定される面接日程に合わせなければならない場合も多く、すべての面接を自分の都合で調整できるわけではありません。

 

また、1日に多くの面接を詰め込みすぎると、疲労やストレスが溜まり、パフォーマンスが低下するリスクがあります。
1日2社程度に抑え、しっかりと集中力を維持できるように計画することが大切です。

失業手当の受給

失業手当は、退職後の生活を支えるために非常に有効な制度です。
受給するためには、雇用保険に一定期間加入していることが条件であり、退職理由によっても給付内容が変わります。

 

自己都合で退職した場合、給付までに数カ月の待機期間がありますが、その後は賃金日額の50%~80%が支給されます。
ハローワークでの求職活動が必須であり、定期的な報告が求められるため、計画的な転職活動が必要です。
この制度を利用すれば、貯金が少ない場合でも転職活動を続けることができ、次の職場を見つけるまでの生活費を補うことができるでしょう。

短期間だけアルバイト・副業をする

金銭的な余裕がない中で転職活動を進める際、短期間だけアルバイトや副業を行うのは有効な解決策です。
短期アルバイトならすぐに収入を得られ、生活費の補填や転職活動に必要な費用をまかなうことができます。
特に、クラウドソーシングを利用した在宅ワークや、データ入力、簡単な作業を行うアルバイトは、時間や場所に縛られずに働けるため、転職活動と両立しやすい点がメリットです。

 

特定のスキルを持っている場合、それらを活かして副業として仕事を受注することも可能です。
必要な収入を確保しながら、自分のペースで転職活動を進めることができます。

また、副業を認める企業も増えているため、在職中であっても副業で収入を得ることを考えてもいいかもしれません。
短期間のアルバイトや副業をうまく活用し、経済的な不安を解消しながら転職活動に専念できる環境を整えることができるでしょう。

ボーナス支給後に退職できるようにスケジューリングする

ボーナスは一度にまとまった額が手に入るため、転職活動中の生活費や予備資金として大いに役立ちます。
ボーナスの支給時期は一般的に6月や12月など企業によって異なりますが、支給後に退職することで、金銭的な余裕を持ちながら次のステップに進むことができます。

 

転職活動を始める前に、会社のボーナス支給スケジュールを確認し、それに合わせて転職活動を計画することが重要です。
また、ボーナスを受け取った後、有給休暇を消化しながら転職活動を進めることで、さらに時間的な余裕を持つことができます。

注意:失業手当・失業保険について

失業手当を受給するには、いくつかの条件や手続きが必要です。
ここでは、自己都合退職や特定理由離職などの受給条件や、受給に必要な手続きについて詳しく解説します。

失業手当の受給条件

失業手当を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
まず、基本的な条件として、退職前の2年間に少なくとも12カ月以上、雇用保険に加入していたことが求められます。

特定の理由で退職した場合には、1年間に6カ月以上の加入期間でも受給可能なケースがあります。
さらに、失業手当の給付を受けるためには、定期的に求職活動を行い、その実績をハローワークに報告する必要があります。

 

求職活動には、ハローワークでの職業相談や求人応募が含まれ、これらの活動が失業状態であることの証明となります。
また、公共職業訓練を受けている場合も、求職活動と見なされるため、手当の受給が可能です。
なお、離職理由やハローワークの認定によって、給付期間が変わることもあるため、自分の状況に合った手続きを確認しておくことが重要です。

 

転職エージェントとハローワークの違いについては以下の記事を参考にしてください。
「転職エージェントとハローワークの違いは何?メリット・デメリットを解説」

自己都合退職

自己都合退職とは、より良い待遇を求めた転職や、自分の意思で現在の職場を離れる場合を指します。
このような退職でも、一定の条件を満たせば失業手当を受給することが可能です。

具体的には、退職前の2年間で12カ月以上の雇用保険加入期間が必要であり、加えて、退職後に求職活動を継続して行っていることが条件となります。

 

しかし、自己都合退職の場合、給付開始が通常より遅れることや、給付期間が短くなるといった制限があります。
一般的に、自己都合での退職では、失業手当の給付が3カ月間の待機期間を経て開始されるため、その間の生活費を確保する必要があります。

また、求職活動の状況をハローワークに定期的に報告する義務があり、この報告が失業状態の証明として必要です。

特定理由離職

特定理由離職とは、自己都合退職に該当するものの、特定の理由がある場合に適用される離職形態です。
具体的には、体力の低下や健康上の問題、出産や育児、介護などの家庭事情、通勤困難による離職などが該当します。

 

また、企業の人員整理に伴い、制度に応募して退職した場合も含まれます。
これらの理由で離職した場合、一般的な自己都合退職よりも有利な条件で失業手当を受け取ることが可能です。

 

特定理由離職者が失業手当を受給するためには、離職前の1年間で6カ月以上の雇用保険加入期間が必要です。
また、求職活動を行いながらも、就職ができない状態であることが求められます。
特定理由離職者は、待機期間が短縮される場合や、給付期間が延長されることがあり、金銭的な支援をより長く受けることができます

まとめ:貯金・お金が心配なら在職中の転職活動がおすすめ

貯金やお金に不安がある場合、在職中に転職活動を進めることがおすすめです。
収入を維持しながら転職活動を行うことで、金銭的な心配を減らし、余裕を持って理想の職場を探すことができます。

 

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