大企業から中小企業への転職で幸福度と年収はアップする?その理由と実例

「スキルはあるのに、20代後半になっても年収が上がらない…」そんな悩みを抱える方へ。実は、大企業から中小企業への転職によって、仕事での幸福度(満足感)も年収も向上させることは十分可能。

本記事では、ワークライフバランスの改善、社風(企業文化)の違い、キャリアアップの機会といった観点から、大企業では得られない魅力を探ります。

実際のデータ・統計や転職経験者のインタビューを交え、「中小企業への転職」という選択肢がもたらすメリットを解説。前向きな一歩を踏み出すヒントにしてください。

 

停滞する年収に悩む20代後半:大企業勤務者の現状

大企業で順調にキャリアを積んでいるはずなのに、20代後半になると年収の伸び悩みを実感する人が増えてきます。
昇進競争の激しさや年功序列の制度が、スキルを持つ若手にとって成長機会を奪っているケースも少なくありません。

 

昇給が頭打ち?20代後半で感じる壁

新卒から大企業でキャリアを積んできた20代後半の方々の中には、「このまま働き続けても年収があまり上がらないのでは」という不安を感じる人が少なくありません。
大企業では年功序列や定期昇給が一般的とはいえ、そのペースは緩やかで、20代のうちは大幅な昇給が見込めないケースも多いのが実情です。

 

また上司の評価や社内ルールに左右され、自分のスキルが収入に反映されにくいと感じることもあります。
実際、ある大企業勤務者は「どんなにスキルや知識があってもそれを必要とする人に認識されないとお金にはならない」と痛感し、上司に評価されなければ昇給できない大企業の構造に限界を感じたといいます。

このように、頑張っても20代後半で昇給が頭打ちになりがちなのが大企業の特徴の一つです。

 

年功序列と昇進競争の現実

大企業ではポストの数が限られており、若手が早期に昇進するのは簡単ではありません。社内には多数の同僚が存在し、実績を積んでも組織全体に埋もれてしまうこともしばしば。

ある調査では「大企業で働く人の約6割が、昇進するのはかなり難しい」と考えていることが報告されています。

 

社員数が多い分、ポジション争いも熾烈で、「出世街道」に乗れる人は一握り。
努力しても “窓際社員”になってしまう(重要な仕事を任されず暇を持て余す立場になる)ケースも、大企業ならではの現象です。

 

一方で中小企業では社内の競合が少なく、主要ポストに就くチャンスが多い傾向があります。
この違いもまた、20代後半で昇進・昇給が停滞しがちな大企業勤務者にとって大きな悩みの種と言えます。

 

「このままでいいのか」と将来への不安

年収やポジションの伸び悩みに直面すると、「今のままここに居続けていいのだろうか」という将来への不安が芽生えます。
特に20代後半はキャリアの岐路に立つ時期。

周囲を見渡せば、30代でマネージャー職に就いている人もいれば、思い切って転職して活躍している同年代もいるでしょう。
社内で昇進の順番を待つ間に貴重な時間が過ぎていくことへ焦りを感じ、「他の環境ならもっと成長できるのでは」「自分の市場価値を試したい」と考え始める人が増えてきます。

 

この不安感は決して珍しいものではなく、過去3年以内に転職を経験した20代~50代の社会人1000人への調査でも、転職理由の第1位は「給与を上げたかった」ことでした。つまり、多くのビジネスパーソンが現状に満足せず、収入や環境を変えるために転職という選択肢を検討しているのです。

 

転職を選ぶ20代が増える背景

近年、日本でも若手人材の転職が珍しくなくなってきました。
新卒で一社に定年まで勤め上げる時代は終わりつつあり、特に20代の転職者数は年々増加傾向にあります。

背景には労働市場の流動化に加え、「このまま会社にいても安泰ではない」という危機感や、自分に合った働き方を追求したいという前向きな意欲があります。
優秀な人ほど現状に甘んじず、より良い環境や待遇を求めて動き出しています。
また、若いうちの転職はスキルアップやキャリア形成にも有利とされる風潮が広がり、「若手のうちにチャレンジした方が将来のためになる」と考える人が増えているのです。

 

実際、大企業に勤める若手の中には「このまま社内に居続ける必要はない」と先輩からアドバイスを受けたり、同僚が次々転職していくのを目の当たりにして、自らも転職を意識し始めるケースがあるようです。

 

中小企業への転職という新たな選択肢

転職先として真っ先にイメージされるのは同規模の他社や外資系企業かもしれません。
しかし、「中小企業への転職」も20代後半の停滞感を打破する有力な選択肢です。
大企業志向が根強い日本では一見意外に思えるかもしれませんが、実際には「大企業から転職して成功した方は多く、裁量権の大きいポジションに就いて活躍したり、温かい人間関係の中でやりがいを見出している人もたくさんいる」のです。

 

中小企業というと「待遇が悪そう」「不安定では?」といった印象を持つ人もいるでしょう。

次の章から、その不安を払拭すべく、中小企業で得られるメリットを具体的に見ていきます。
ワークライフバランスの改善、社風のフィット感、キャリアアップのチャンス、そして気になる年収アップの可能性について順番に解説していきます。

 

ワークライフバランスの改善:働き方と生活の調和

大企業での働き方は安定感がある一方で、長時間労働や転勤の負担を感じる人も多くいます。
中小企業へ転職することで、より柔軟な働き方やプライベートとの両立が実現しやすくなるケースが増えています。

 

大企業勤務:長時間労働・転勤のプレッシャー

大企業は経営が安定している反面、働き方の面でいくつかの負担が伴うことがあります。例えば長時間労働はその一つ。
大規模プロジェクトや部署間の調整業務などで残業が続き、平日は自宅に寝に帰るだけという人も少なくありません。

 

また全国転勤の可能性も、大企業勤務者にとって大きなプレッシャーです。

総合職で入社すると数年おきに全国各地へ異動する制度がある企業も多く、結婚や育児、親の介護といったライフイベントとの両立が難しくなるケースがあります。

 

「家族やマイホームのために腰を落ち着けたいが、転勤が怖くて踏み切れない」という声もよく聞かれます。
実際、「前職の大企業は転勤が多いことが辞めた大きな理由。社員一万人の中で一人の希望(=転勤しないで働き続けたい)はなかなか聞いてもらえなかった」と嘆く人もいます。

大企業では個々の事情より組織全体の方針が優先されるため、どうしても画一的な働き方になりがちです。
その結果、「仕事ばかりの毎日でプライベートの時間が取れない」「ライフスタイルを会社に合わせるしかない」という不満を抱える人も多いのです。

 

中小企業でこそ可能な柔軟な働き方

一方、中小企業では従業員数が少ない分、一人ひとりの状況に目を配りやすく、柔軟な働き方の実現が期待できます。
経営者との距離が近く社員の声が届きやすいため、「今日は子供の行事があるので早退したい」「親の介護で在宅勤務にしたい」といった相談もしやすい雰囲気の職場が多く見られます。

 

実際、香川県の資料によれば「ワーク・ライフ・バランスの取り組みは、大企業よりも経営者と従業員の距離が近い中小企業こそ実践しやすい」とされています。

トップと社員の距離が近く個々の実情が見えるため、働き方改革のアイデアも社内ですぐに取り入れやすいのです。
例えばある中小企業では、社員の声を受けてリモートワーク制度を柔軟に導入した結果、育児中の社員が離職せず働き続けられたケースも。

このように中小企業は小回りが利く分、社員ごとにきめ細かな働き方の調整が可能なのです。

 

中小企業で期待できるワークライフバランス向上のポイント

中小企業で期待できるワークライフバランス向上のポイントは次のような点があります。

 

個別事情への柔軟対応

社員それぞれの家庭事情や体調に合わせて勤務時間・場所を調整しやすい。
例えば子育て中の社員に在宅勤務を認めたり、介護中の社員の負担をみんなでサポートしたりといった融通が利きます。

 

職住近接のメリット

大企業の本社は都会に集中しがちですが、中小企業は地方や地元密着の企業も多く、通勤時間が短かったり転勤がない場合が多いです。
通勤ストレスが減り、自宅で家族と過ごす時間や地域活動に充てる時間が増えるでしょう。

 

育児・介護との両立支援

社員数が少ないからこそ、お互いの生活背景を理解しやすく、「お互い様」の精神で助け合う風土が育ちます。
子育て中の社員に配慮した勤務制度や、有給取得の奨励など、従業員のライフステージに合わせた支援が得られやすい傾向があります。

 

強固なチームワーク

中小企業では社員同士が顔の見える関係を築きやすく、困ったときに助け合えるチームワークが生まれます。
人間関係が近い分、産休・育休からの復帰時や病気療養後の再雇用時にも周囲の理解を得ながらスムーズに職場復帰できるケースが多く見られます。

 

地元志向の人に嬉しい「転勤なし」の安心感

地方出身者や地元に腰を据えたい人にとって、「転勤がほとんどない」というのは中小企業勤務の大きな魅力です。
実際、地方で働くある男性(50歳)は「地元にいられることが大事だった。中小企業なら自分のライフスタイルに合わせた仕事選びができる。転勤が嫌な人は転勤がない会社を選べる。自分が働きたい場所に大企業はそうそうない」と語っています。

 

大企業では希望しなくても遠方への異動を命じられる可能性がありますが、中小企業は地域密着型の企業も多く、「転勤回避 = 中小企業という選択」が成り立つのです。

 

例えば、茨城の男性(52歳)は「通勤は車で15分。親の世話もあるので、転勤があるならいくら大手でも嫌だった」と話しています。
このように家族や地元との生活を大切にしたい人にとって、中小企業への転職は生活基盤を守りながら働ける安心感をもたらしてくれます。

 

実例:ワークライフバランスが劇的に向上した声

実際に大企業から中小企業へ転職してワークライフバランスが改善した方の声を聞いてみましょう。
ある女性は大手メーカーから従業員100名ほどの中堅企業に転職し、「以前は平日も終電まで働く日が多かったが、転職後は残業が減り毎日家族と夕食をとれるようになった。

 

趣味の時間も持てるようになり精神的な余裕が生まれた」と語っています。
また、別の男性は「前職では全国転勤が当たり前だったが、今の会社は地域密着で転勤がなく、ようやく家族と腰を落ち着けて暮らせている」と満足げです。

 

これらは一例に過ぎませんが、多くの転職者が中小企業で仕事とプライベートのバランスが取りやすくなったと感じています。
会社側にとっても、従業員の生活の質が向上することでモチベーションや生産性が上がり、結果的に業績にも好影響が出るというメリットがあります。

まさに社員にとっても企業にとっても「win-win」となるのが、ワークライフバランスに配慮した中小企業で働くことの利点と言えるでしょう。

 

社風の違いがもたらす幸福度の差:フィットする職場を求めて

働きやすさを左右する大きな要素が社風の違いです。大企業と中小企業では組織文化や人間関係の距離感が大きく異なり、自分に合った環境を見つけることで仕事の満足度や幸福感が大きく変わってきます。

 

大企業の社風:縦割り・安定志向の組織文化

大企業には長年の歴史の中で培われた独自の社風があります。
一般的に組織の規模が大きい分、ルールや手続きが細かく定められた縦割り組織になりがち。
部署ごとに役割が明確に分担され、自分の仕事の範囲が限定されていることもしばしば。

 

安定した経営基盤のもと、前例踏襲で物事を進める傾向も強く、新しい提案や改革は慎重に検討されます。
社員は専門分野に集中できる反面、「自分の部署以外のことには口を出せない」「意思決定に時間がかかる」と感じる場面もあるでしょう。

 

また、社員数が多いことで人間関係は必要最小限になりやすく、他部署の人とは顔も知らないということも珍しくありません。
若手社員にとっては、組織の歯車の一つとして扱われ、自分の個性や意見が埋もれてしまう寂しさを感じるケースもあります。

大企業では福利厚生など物質的な待遇は手厚い一方、組織文化としては「事なかれ主義」「上意下達」といった色彩が強くなることがあり、この雰囲気に馴染めない人にはストレスとなり得ます。

 

中小企業の社風:アットホームで風通しの良い職場

それに対して中小企業の社風は、規模が小さい分アットホームで一体感があることが特徴です。
社員同士がお互いの顔と名前を知っており、社長や経営幹部とも日常的に言葉を交わすことができる距離感があります。

「中小企業は社員数も心地よい規模で、直接の意思疎通ができる」とある転職者も語っています。

 

部署間の壁も低く、「困ったときはお互い様」で助け合う社風の会社も多いです。
経営者自ら現場の声に耳を傾け、良い提案は即採用されるといった風通しの良さも、中小企業ならではでしょう。
実際、「社員数が少ないと伝言ゲームをしなくていいので業務効率が上がる。一人ひとりの持ち場が広く、大きな歯車となって事業を動かせるため、自分の存在意義をより強く感じることができる」という声もあります。

 

大企業で埋没感を味わっていた人にとって、中小企業の家族的な一体感や自分の居場所がある安心感は、仕事の幸福度を大きく高めてくれる要素となるでしょう。

 

経営陣との距離が近いメリット

中小企業では社長や役員との距離が近く、社内の垣根が低いことから生まれるメリットが数多くあります。
その一つが意思決定のスピードです。

 

提案があるとき、わざわざ何段階もの決裁を経ずに、直接トップに掛け合って許可をもらえることもあります。
「スピーディな承認プロセス」は中小企業転職の大きなメリットの一つだと指摘されています。

また、経営層と日頃から顔を合わせてコミュニケーションを取れることで、会社のビジョンを身近に感じながら働けるという利点もあります。
「経営者との良好なコミュニケーションは、経営の透明性を通して社員のモチベーションを向上させる効果がある」という指摘もあり、自分の働きが会社全体にどう貢献しているかを実感しやすくなるのです。

 

さらに、経営陣から直接フィードバックをもらえたり、自分の意見に耳を傾けてもらえたりすることで、「自分は会社に必要とされている」という自己重要感が高まります。

こうしたトップとの距離の近さは、中小企業に転職した人が口を揃えて挙げる魅力であり、働きがい・幸福度の向上につながっています。

 

「自分の仕事が会社を動かす」実感の大きさ

大企業では自分の仕事の成果が会社全体に与える影響はごく一部かもしれません。
しかし中小企業では一人ひとりの仕事のインパクトが非常に大きいのが特徴。
元大企業社員で現在中小企業に勤めるある方は「小さい会社で素晴らしいのは、自分の仕事が与えるインパクトの大きさを実感できることだ。

 

大企業にいた時は、プロジェクトを成功させても会社にとっては100分の1でしかなかったが、小さい会社では自分の成功がすぐ会社への大きな貢献となる」と述べています。

もちろん失敗すれば会社全体に与えるダメージも大きいという緊張感はありますが、そのぶん日々の仕事に手応えとスリルを感じられるでしょう。
「毎日のようにCEOや幹部とやり取りがある。大きなストレスもあるが、その分自分の存在感・貢献感を持つことができる」と、その方は続けています。

 

このように自分の仕事が会社を動かしているという実感は中小企業で働く大きな醍醐味であり、仕事の意義を実感することで得られる幸福度・充実感は計り知れません。

 

インタビュー:小さな職場で得た大きなやりがい

実際に大企業から中小企業へ転職した人の中には、「社風の違い」によって劇的にモチベーションが上がったと語る方がいます。

その一人、20年間大手企業に勤めた後地方のIT企業へ転職した男性は、「前職のベネッセでは不満はなかったが、自分や家族にとってより上のベストを求めてゆっくり転職を考えた」と振り返ります。

転職先では少人数ならではのフラットな組織でマーケティング業務に携わり、「社員数も非常に心地よい規模で、直接コミュニケーションが取れる。

 

伝言ゲームをしなくて済むので効率的だし、一人ひとりの担当範囲が広くて事業を大きく動かせるので、自分の存在意義を強く感じられる」と語っています。

人間関係も良好で、自分が会社に貢献できている実感が持てる職場では、主体的に仕事に取り組む意欲が湧いてくるといいます。

このように、自分に合った社風の職場へ移ることで仕事のやりがいや満足度が飛躍的に高まったという例は数多く存在します。
大企業で「社風が合わずつらい」と感じている方にとって、中小企業への転職はまさに環境を変えて自分らしく働くチャンスと言えるでしょう。

 

キャリアアップの可能性:小さい組織で拓ける成長機会

大企業では昇進のチャンスが限られている一方、中小企業では実力次第で若いうちから重要なポジションを任されることもあります。
組織の規模が小さいからこそ生まれる成長のチャンスがあります。

 

昇進の難易度:大企業 vs. 中小企業

前述の通り、大企業では若手が昇進するハードルが高く、ポスト競争も激しいのが一般的です。
勤続年数や年齢による序列が根強く残る企業では、20代で管理職に就くのは極めて稀でしょう。

「大企業では、かなり狭き門」とよく言われるように、多くの同僚と限られたポストを争わなければなりません。
一方、中小企業では組織規模が小さい分、昇進・昇格のチャンスが巡ってくる可能性が高いと言われます。

 

実際、ある調査によれば中小企業の従業員の約4割が「自分にも昇進の見込みがある」と感じているのに対し、大企業ではそう感じている人は2割台にとどまったとのデータもあります。

組織が小さいことで社内の競争相手が少なく、「逆スケールメリット」(組織規模が小さいことが個人にとって有利に働く現象)とも言える状況が生まれるのです。
このため、中小企業への転職は「昇進の難易度」を一気に下げ、頑張り次第で若いうちから役職に就けるチャンスを掴める可能性があります。

 

20代後半、「課長止まり」にしないために

大企業で働く20代後半の人々の中には、「自分はこのまま頑張っても良くて課長止まりではないか」と将来に限界を感じる人もいます。
実際、ある28歳の男性は「中小企業なら上を目指せる。社長までは行かなくても常務や専務だって目指せる。

しかし大企業で働いている限り、自分もいいとこ課長だな、と。20代後半になるとみんな考える」と語っています。

この言葉は、多くの若手社員の本音を代弁しているのではないでしょうか。
年齢を重ねるごとに昇進の競争は厳しくなり、「いずれ管理職にはなれるだろうが、それは10年先かもしれない」と思うとモチベーションが下がってしまうこともあります。

 

そんな停滞感を打破するために、「自分のキャリアを自分で切り拓く」決断として中小企業への転職を選ぶ若手が増えています。
中小企業では頑張り次第で数年以内に重要ポストに抜擢される可能性も十分あり、実際に20代で役職者となって活躍している例も珍しくありません。
その環境の違いが、20代後半で将来に悩む人々の背中を押しているのです。

 

中小企業で広がる昇格チャンス

中小企業では若手にも大きな仕事を任せてもらえる機会が多く、その結果として早い段階で昇格するチャンスが巡ってきます。
社内のポジション数自体は限られていますが、逆に言えば「手を挙げる人」がいれば早くから重要な役割を担える可能性が高いのです。

実際、「中小企業はステップアップが身近。昇格の可能性も大きい。
私の会社も頑張れば昇進が早かった。会社が大きいと人数も多いから、なかなか芽が出ない」という声がインタビューで聞かれています。

 

この方(福岡の45歳女性)は前職も含めての実感として、大企業と中小企業の昇進スピードの差を語っています。

また別の中小企業勤務者(52歳男性)は「中小企業は人数がいない分、早く仕事をやらせてもらえるからやりがいが出てくる」と述べており、若いうちから責任ある仕事に挑戦できることがモチベーションになっています。

 

要するに、中小企業では「若いから」という理由で出世街道のスタートラインに立てないことは少なく、実力と意欲次第でどんどんキャリアを伸ばせる土壌があるのです。

 

若手で重要ポストに就く実例

中小企業への転職がキャリアアップにつながった具体的な実例も確認しておきましょう。例えば、メガバンクから社員数100名規模のスタートアップ企業に転職した28歳の男性は、わずか2年ほどで営業部の部長に最年少昇進しました。

本人も「銀行で課長になれるのは10年後だっただろうが、スタートアップに転職して確実に経験を積めている実感があります」と語っています。
まさに大企業では得られなかったスピードでの昇進を果たした例です。

 

また別のケースでは、30歳前後で大企業から地方の中堅企業に移った方が、転職から数年で取締役に抜擢され、経営に参画しているという話もあります。
さらに前述の28歳男性(宮城県出身)は中小企業へ転職し「社長までは行かなくても常務や専務だって目指せる」と具体的に将来像を描いていました。

 

このように「若手でも幹部候補になれる」のは中小企業ならではの醍醐味です。
大企業では考えられない速度でキャリアアップできる環境が、中小企業には整っていると言えるでしょう。

 

スキルアップと裁量拡大:一人で何役もこなす強み

中小企業でキャリアを積む大きなメリットの一つに、スキルの幅が広がることが挙げられます。
大企業では専門分野に特化して働くことが多いですが、中小企業では一人が複数の役割を担うことも珍しくありません。

 

例えば営業担当がマーケティング戦略にも関わったり、エンジニアが顧客対応や企画にも顔を出すといった具合に、職種の壁を越えて様々な経験ができるのです。
これは見方を変えれば「多能工」として成長できるチャンスでもあります。
実際、ある調査でも「中小企業では社内における自身の比重が大きく、それに伴って裁量が広がり、様々なスキルを習得できる豊富な機会がある」と指摘されています。

 

一つの会社で企画から実行まで一貫して関われる経験は、個人の市場価値を高める上でも非常に有益です。
中小企業で培ったマルチなスキルセットを武器に、その後さらにキャリアアップしたり起業につなげる人もいます。

加えて、自分の裁量で仕事を動かせる範囲が広いため、「仕事を任されている」という責任感と充実感も得られます。
中小企業への転職は、目先の昇進だけでなく長期的なスキルアップ・キャリア形成にもプラスに働く選択肢なのです。

 

年収アップはこうして実現できる:転職で報酬を上げるポイント

中小企業への転職は年収が下がるというイメージを持たれがちですが、実はスキルや実績を武器にすれば年収アップを実現するチャンスもあります。
ここでは報酬を上げるための具体的なポイントを解説します。

 

転職と年収については以下の記事も参考にしてください。
「自己流転職活動をやめて大成功!転職の相談をエージェントにしたら効率よく年収アップした事例も紹介」

「転職で年収が下がることはある?年収が下がる人の特徴や転職方法を解説」

「転職エージェントに年収交渉はあり?年収交渉をいつすればいいか、タイミングを解説」

 

「年収ダウン」の不安は本当か?

中小企業への転職を考える際、誰もが気にするのが年収面でしょう。
大企業は一般に給与水準が高めと言われるだけに、「転職すると年収が下がるのでは」と不安に感じるのはもっともです。
厚生労働省のデータによれば、大企業と中小企業の平均年収には約45万円以上の差があるとされています。

月給換算で3~4万円程度、中小企業の方が低い計算になり、これは家計にとって決して小さくない額です。

実際、「大企業から転職すると収入が下がる可能性がある」と指摘する声も多く、安定性を重視する人にとっては転職の大きなハードルとなっています。

 

前章までで幸福度やキャリアアップの魅力を述べてきましたが、「結局お金が下がるなら転職する意味がないのでは?」という疑問はごもっとも。
しかし、年収ダウンは決して避けられないことではありません。
ポイントを押さえて転職先を選べば、むしろ年収アップを果たすことも十分可能です。

 

統計に見る年収アップの可能性

近年の転職市場のデータをひも解くと、中小企業・ベンチャーへの転職で年収アップを実現したケースが数多く報告されています。

スタートアップ企業に転職した20~40代の男女200人を対象にした調査によると、「転職後に年収が下がった」と答えた人は全体の約22%にとどまり、残り約78%は年収が維持または上昇したという結果が出ています。
特に「大企業からの転職組」に限れば、前職と同等かそれ以上の年収になった人が60%以上にのぼったとのこと。

 

これは、「大企業を辞めてベンチャーに行く=収入ダウン」という従来のイメージとは異なる、明るい材料と言えます。
さらに日本経済新聞の調査によれば、2021年度のスタートアップ企業の平均年収は前年比約7%増の650万円で、上場企業の平均年収605万円を上回ったとの報告もあります。

もちろん業界や企業によって差はあるものの、近年では資金調達が順調な有望ベンチャー企業などを中心に年収相場が上昇傾向にあり、スキルと経験次第では大企業以上の収入を得ることも十分見込める状況です。

 

このような統計データは、「中小企業=低年収」という固定観念が変わりつつあることを示しています。

 

中小企業でも高年収は実現可能な時代

なぜ中小企業でも高年収が期待できるようになってきたのでしょうか。
その背景には、人材獲得競争の激化があります。
即戦力となる優秀な人材を採用するために、中小企業側も待遇面で魅力を示さざるを得なくなっています。

 

特にITやハイテク分野の成長企業では、能力ある人材には思い切った高年収オファーを出す例も増えています。
事実、スタートアップへの転職者が増える中で、スタートアップ転職時の平均年収は2020年の495万円から2022年には549万円にまで伸びています。

賃金停滞が指摘される日本において、これは注目すべき変化です。
こうした流れから、ビジネス誌でも「スタートアップへの転職は給与を上げる有効な選択肢になり得るのか?」と取り上げられ、実際にスタートアップ転職で年収アップを遂げている20代の例が紹介されています。

 

「中小企業=待遇が悪い」というのは一概に当てはまらなくなってきており、むしろ成長企業・ベンチャー企業では年収面で魅力的な条件を提示するケースが増えているのです。

 

実力主義の評価で収入アップ

中小企業への転職で年収を上げるポイントの一つに、実力主義の評価制度があります。
大企業では年功序列や定期昇給がベースとなり、自分の努力や成果がダイレクトに給与へ反映されにくい面がありました。

しかし中小企業やベンチャー企業では、「成果次第で早期昇格や昇給を狙うことができる」といわれるように、若手であっても実績を出せば昇給・昇格で報いる文化を持つ企業が多く存在します。

 

特にベンチャー企業では人材流出を防ぐために成果に応じた給与改定を柔軟に行うところもありますし、ストックオプション(自社株の付与)などによって将来的な金銭的リターンを得られる制度を導入している企業もあります。

大企業にいて「上司に評価されなければ給与が上がらない」閉塞感に悩んでいた人が、中小企業で自身の市場価値(社会的な評価)に見合った処遇を得られるようになった例も多いです。

 

前述の富士通から転職した45歳の方は、富士通在籍時に「上司が給与の生殺与奪権を握っている」状態に疑問を感じて転職を決意し、新天地では自身のスキルがダイレクトに評価される環境で充実感を得ています。
このように実力が正当に評価される中小企業では、結果的に収入アップにつながるチャンスが多々あるのです。

 

ケーススタディ:転職で収入アップを果たした人たち

具体的に、中小企業への転職で収入アップに成功した人たちの事例も見てみましょう。
例えば、先ほど触れたメガバンクからリーガル系スタートアップに転職した28歳の男性は、「転職者が増えているスタートアップ」で最年少部長に昇進しただけでなく、年収もメガバンク時代と比べてアップしたといいます。

 

また、別の20代女性は大手メーカーから社員数50名ほどの成長IT企業に移り、前職よりも高い給与オファーを勝ち取って転職しました。

本人曰く「大企業では昇給幅が限られていたが、転職時に自分の市場価値を交渉した結果、年収が約20%上がった」とのことです。
さらに、人材紹介会社の調査では「20代で初めて転職した人の6割以上が年収増を実現した」というデータも。

 

重要なのは、自分のスキルセットが市場で求められているものであれば、転職は年収を上げる大きなチャンスになるということです。
実際、企業側も優秀な20代を採用するために「前職以上の提示年収」を用意するケースが増えているとの声もあります。

逆に準備不足で闇雲に転職すると望む条件を得られない可能性もありますが、転職エージェントなどを活用して綿密に交渉すれば、中小企業でも十分に高待遇を得られるでしょう。

 

まとめ:前向きなキャリアチェンジで得られるもの

ここまで見てきたように、大企業から中小企業への転職は、「幸福度」も「年収」も諦める必要はなく、むしろ両方の向上を狙えるポジティブな選択肢です。

もちろん、すべての中小企業が好条件とは限りませんし、転職後すぐに理想通りの結果が得られるとは限りません。
しかし、転職前に目的を明確にし、自分に合った企業をしっかり見極めれば、「あのとき行動して良かった」と思える未来が待っているでしょう。

 

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