第二新卒の職務経歴書の書き方は?履歴書と職務経歴書の書き方の違いは何?

第二新卒で転職活動をすると、履歴書以外にも職務経歴書が重要になるケースがほとんどです。

しかし、そもそも「職務経歴書」という言葉を初めて聞くという人や、職務経歴書の買い方が分からないという方もいます。
履歴書と響きは似ていますが、職務経歴書と履歴書とでは役割が違うため、一方だけしっかり書いておけば大丈夫という問題ではありません。

ここでは、第二新卒として転職活動をする際に重要になる職務経歴書・職務経歴書の書き方について解説しています。

第二新卒とは?

第二新卒は、一般的に新卒で入社した会社を1〜3年で退職し、再び就職活動を行う人を指します。
短期間で転職を考える理由は様々で、初めての仕事とのミスマッチ、自身の成長やキャリア形成に対する不満などのネガティブな理由もあれば、新たなチャレンジを求めるなどポジティブな理由も考えられます。

履歴書と職務経歴書の違い

第二新卒か否かに関係なく、転職活動を行う場合には履歴書の他に職務経歴書の提出が求められることも多く、履歴書とは違った役割をもつため、体裁や書き方を知っておかなければそれだけで不利になることもあります。

ここでは、履歴書と職務経歴書の違いと第二新卒にとって職務経歴書が重要になる理由についてまとめています。

履歴書

履歴書は、自己の基本情報(氏名、生年月日、連絡先など)と学歴、資格、職歴などをまとめた文書です。
一般的には、ある程度のフォーマットに従って記載し、自己PR欄を利用して自己紹介や志望動機を簡潔に述べます。

履歴書にも職歴を記入するのが一般的ですが、ここで記入した職歴は初対面の人に向かって交わす「挨拶」のようなもので、普通は細かく記載することがありません。
具体的な職務内容についても記入しないことが多いです。

職務経歴書

職務経歴書は、これまでの職務内容とその結果や実績を詳しく記載したものです。
具体的な業務内容、担当プロジェクト、その結果などを詳細に記載し、自身のスキルや経験をアピールします。

履歴書が抽象的な内容であったのに対して、職務経歴書は具体的な内容でなければいけません。
後述しますが、過去の経験について、どれだけ具体的にしっかりと向き合って考えることができたかどうかが職務経歴書の書きやすさを左右します。

第二新卒は履歴書よりも職務経歴書の方が大事

第二新卒の場合、履歴書よりも職務経歴書が重視されます。
なぜなら、前職での業務経験や成果、スキルの習得状況が詳細に記載されている職務経歴書を通じて、採用企業はあなたの実力を判断するからです。

直感でもお分かりいただける通り、具体的に記載されている職務経歴書の方が応募者の人柄・スキルなどが見やすくなります。
それゆえ、履歴書の内容・書き方も重要かもしれませんが、職務経歴書の内容・書き方はそれ以上に重要になるという認識をもつといいでしょう。

第二新卒の職務経歴書で見られるポイント

職務経歴書が重要であるということは前述しましたが、採用担当側は応募者の職務経歴書のどのような点を重視するのでしょうか。
「企業や採用担当者ごとに違う」と言ってしまえば、それまでですが、第二新卒の場合には、最低限以下の項目の重要性を抑えておけるといいでしょう。

  • 実績や前職での研修内容
  • ビジネスマナー
  • ポテンシャルや仕事への熱意
  • 人柄

実績や前職での研修内容

前職での具体的な業務内容と成果、参加した研修や取得したスキルを具体的に記載しましょう。
これは、志望者がどのようなスキル・経験を持っているのかを採用企業に示すためです。

第二新卒で転職を考えている場合、社会人になってから1~3年程度であると思われますので、社内で大きな実績を上げたり、利益に貢献したりできていないかもしれません。
そのような場合、新卒として入社して企業の研修につての記載も有効です。

研修の内容について記載することはもちろん、研修から得られた知見などについても整理しておけるようにしておきましょう。

ビジネスマナー

ビジネスマナーは、職場でのコミュニケーションや人間関係構築に不可欠な要素です。
職務経歴書でビジネスマナーの理解を示すことで、あなたが円滑な人間関係を築ける信頼性が伝わります。

例えば、前職でのチームワークやコミュニケーションの取り組みを具体的に記述し、どのように協力して仕事を進めたかをアピールしましょう。
これにより、新しい職場でもスムーズに馴染めるイメージが形成されます。

また、職務経歴書を作成するということそれ自体がマナーであると受け取られる可能性もあります。
採用を担当する企業の中には、必要提出書類に職務経歴書を含めていない企業もありますが、作成しておいてから不要な場合は提出しなければいいだけですが、その逆は難しいでしょう。

職務経歴書の作成は転職活動者であれば「作成しなければならないもの」という感覚が丁度いいかもしれません。

ポテンシャルや仕事への熱意

未来の成長性や仕事への情熱は、採用担当者にとって魅力的に映ります。
職務経歴書に、新しいことに挑戦した経験や学び取ったスキルを積極的に書き込むことで、ポテンシャルや仕事への熱意を間接的にアピールすることができます。

また、仕事においてどのようなビジョンを持っているのか、具体的な目標を記述することで、前向きな姿勢を感じ取ってもらうこともできるでしょう。
職務経歴書には志望動機などの多くを書くことはありませんが、過去の経験から学んだことや、その経験が仕事に活かせた実績や事実などを書くことで採用担当者に対してポテンシャルの高さをアピールするポイントになり得ます。

人柄

人柄は、職務経歴書でのセルフプロモーションで最も重要な部分です。

あなたの性格や仕事の価値観、前職での経験や実績など、あらゆる部分から個性を伝えましょう。
人柄をアピールすることで、あなたがどのような人物か、チームにどのようにフィットするかが伝わります。

第二新卒として社会人経験を積んでいたとしても、まだまだスキルを他の企業から認めてもらうことは難しいかもしれません。
採用の決め手になるのは多くの場合、スキル以上にその人の人柄(企業文化に合うかどうか)が占める割合は大きいです。

企業文化に合う人柄であったとしても、それが伝わらなければ意味がありません。
自分という人間性がしっかりと相手に文章からでも伝わるような書き方を心がけてみましょう。

職務経歴書の書式・書き方

職務経歴書には様々な書式がありますが、一般的には

  • 編年体
  • 逆編年体

という2種類の書式が代表的です。
それぞれの書式の内容とメリットやデメリットがありますので、それぞれの特徴を理解したうえで使い分けることができるといいでしょう。

編年体

編年体とは、職務経歴書において、自身の職務経歴を時系列順に記述する形式を指します。これは、学生時代の経験から初めて、最後に現在の職務内容へと進んでいくスタイルです。第二新卒の方にとって、これまでの経験を整理しやすい形式であり、過去の経験から現在に至るまでの流れを把握しやすいでしょう。

時々、「学生時代のアルバイトは職務経歴書に記載するべきか」という質問を受けることがありますが、アピール材料につながると思えば記載しても問題ありません。

  • 応募先企業の業務と関連性がある
  • バイトリーダーを任され、チームをまとめた
  • 社員と同等の業務内容であった自負と根拠がある

上記のような場合には積極的に記載するといいでしょう。
ただし、前職を辞めてからアルバイトをした場合には、内容に関係なく必ず記載します。

前職を辞めてからのブランクの期間に何をしていたのか、採用側が気にするためです。
この場合はアルバイトの職務内容に関わらずに記載するようにしましょう。

編年体のメリット

編年体の最大のメリットは、自身のキャリアが一目でわかる点です。
採用担当者は、あなたがどのような経験を積み、どのように成長してきたかを把握しやすくなります。
また、各職務での成果や学んだスキルを具体的に記述することで、あなたの強みや特長をアピールしやすくなります。

編年体のデメリット

一方で、編年体のデメリットも存在します。
過去の職歴が長い場合、多くの情報を記載しなければならず、読み手にとっては情報過多となる可能性があります。

また、転職が多いと、安定性がないと見られがちです。
これを避けるため、各職務での成果を明確にし、転職の理由をしっかり記述する必要があります。

逆編年体

逆編年体は、最新の職歴から過去に向かって記述する方法です。

この形式では、最初に現在の職務内容や成果が位置するため、採用担当者はあなたの最新の情報を最初に把握できます。
特に、最新の経験が重要視される職種や業界で効果的です。

逆編年体のメリット

逆編年体のメリットは、最新の経験やスキルが前面に出ることです。
これにより、現在の職務での成果や学んだ技術を強調しやすくなります。

また、採用担当者が読む際の印象も強まるため、印象に残りやすくなります。
特に、技術進歩が早い業界では、最新の経験が重視されるため有効です。

逆編年体のデメリット

逆編年体のデメリットは、過去の職歴が後回しになるため、全体のキャリアの流れが把握しにくくなることです。

また、過去の経歴が重要な場合、その情報が埋もれてしまう可能性があります。
逆編年体を使用する際は、全体のバランスを見ながら、過去の経歴も適切にアピールすることが重要です。

第二新卒向け、職務履歴書の書き方・書式を解説

ここでは、逆編年体書式をベースとして、職務経歴書に書くべき内容と書き方につて解説しています。
書くべき内容は、

  1. 職務要約
  2. 活かせる経験・知識・技術
  3. 職務経歴詳細
  4. 自己PR

の4点です。
まずは、この4つの大枠を作るところからスタートできるといいでしょう。


(出典:リクナビNEXT提供の逆編年体式職務経歴書を加工)

①職務要約

職務要約は、応募者がこれまでにどのような役職を務め、どのような業務に従事してきたかをまとめた情報です。
職業的な経歴とスキルを簡潔に伝えるために重要な導入部分にあたり、採用者が応募者の経歴を一目で理解するために重要な部分です。

具体的な職務内容、重要なプロジェクト、達成した成果などを明示的に記載しましょう。しかし、一方で情報量を適切に管理し、特に重要な経験やスキルが埋もれないようにすることが大切です。

②活かせる経験・知識・技術

この項目では、応募者が持っている経験や知識、技術を具体的かつ簡潔に記述します。
これまでの職務で得た専門的なスキルや、特定の業界での深い知識、対人スキル、リーダーシップ能力などを明示的に示し、それらがどのようにあなたの次の職務に役立つかを感じ取ってもらうことが目的です。

保有している免許や資格なども、この項目でまとめて記入します。
あまり気にする必要がない場合もありますが、保有免許や資格を混在させて記載するときには、免許を先に書き、資格を後に書くのが一般的になっています。

  • 例)
    【保有免許】
    ・普通自動車免許
    【資格】
    ・TOEIC ○○○点(2022年XX月XX日)
    ・日商簿記3級(2023年XX月XX日)

編年体・逆編年体いずれの場合であっても、免許や資格は取得年月日の古いものから順番に書くのが普通です。

ただし、応募先から求められるスキルなどに直結する資格の場合には順序を入れ替えた方が効果的である可能性もあります。
絶対の正解はありませんので、工夫する余地は十分にあります。

③職務経歴詳細

職務経歴詳細は、各職務での具体的な業務内容、達成した成果、使用したツールや技術などを時系列で詳細に記述します。

職務の開始日と終了日、職務のタイトル、企業名、業務内容、そして特に重要な成果や貢献を含めます。
これにより、応募者がどのような仕事環境でどのような業務を遂行してきたか、どのような結果をもたらしたかを採用者に示すことができます。

④自己PR

職務経歴書の締めくくりは自己PRになります。
具体的な経験や実績を通じて、個性や独自性を前面に出しましょう。

例えば、「プロジェクトマネージメントの経験を活かし、チームを統率して課題解決に取り組んだ」といった具体的な事例を挙げることで、あなたの能力が伝わりやすくなります。

また、人間関係でのコミュニケーション能力や協調性も重要なポイントです。
実際に他部署と協力して成果を上げた経験などがあれば、それもアピールポイントとなるでしょう。

自己PRは確かに自分の強みを採用担当者に伝える場ではありますが、相手企業のニーズにどう応えられるかを考え、相手目線でのアピールを心掛けることも重要です。

自身の強みや経験が、どのようにして応募先企業で活かせるのかを具体的に述べることで、採用担当者にあなたの価値を理解してもらいやすくなります。

第二新卒の方向け、職務経歴書を書くための5ステップ

第二新卒の短いキャリアの中でも、価値や成果をしっかりと伝えることができる職務経歴書を作成することは十分可能です。
ここでは、第二新卒の方が職務経歀書を書くための5つのステップを紹介します。

①これまでの経験を箇条書きにしてみる

職務経歴書作成の初期段階で、これまでの経験を箇条書きに明示化することは、全体の構造を把握しやすくします。このステップでは、各職務での具体的な業務内容、担当したプロジェクトの規模や特徴、得られた成果、使用したツールや技術、さらにはスキルの向上などを詳細にリストアップしましょう。

注意点として、以下のポイントが挙げられます。

  • 具体性・結果の可視化
    具体的な数字や事例を用いて、どれだけの成果を上げたかを明記することが大切です。
    結果を具体的な数値や成果物で示すことで、実績が一目でわかるようにします。
    例)売上・利益の○%の向上に貢献、○○において3位表彰を受けた
  • アクションの強調
    自身がどのようなアクションを取り、それがどう影響したかを記述します。
    例)○○プロジェクトで△△という役割を果たした
    箇条書きにした内容をすべて職務経歴欄に書くわけではありませんが、材料になるものを手元にそろえておくことで、書きやすくなるはずです。

②同僚や上司から評価された項目をクローズアップする

このステップでは、職場での評価やフィードバックを元に、自身の強みや特長を明確化し、クローズアップします。
他人からの評価は、自己評価とは異なる視点を提供してくれるため、これを活用することで、採用担当者にとって魅力的なポイントが見えてきます。

注意点としては、以下のようなポイントが挙げられます。

  • ●具体性
    どのような状況で何をして評価されたのか、具体的な事例や状況を記述しましょう。
  • ●他者の言葉を活用
    可能であれば、上司や同僚からの直接的なフィードバックや言葉を引用することで、信憑性が向上します。
    ただし、無理に活用する必要はありません。
  • ●バランス感覚
    自分の強みだけでなく、チームとしての成果にどのように寄与したかも記述し、バランスの良い職務経歴を作りましょう。
    自分のアピールだけにならないように注意が必要です。

③同僚や上司から評価された理由・背景を分析する

同僚や上司からの評価を受ける背後には、その評価が生まれた具体的な理由や背景が存在します。
このステップでは、ポジティブなフィードバックや評価に至った状況を深堀りし、何が評価され、どのような成果を上げたのかを明確にすることが重要です。

注意点としては、客観性の確保を意識する点です。
具体的な事例やデータを用いて、評価の理由を客観的に分析することが重要です。
感情や主観が入りすぎると信憑性が損なわれます。

④応募企業と相性がよさそうなものごとに優先順位をつける

応募企業との相性を考慮する際、重要なのは、企業のビジョン、ミッション、カルチャー、そして求められるスキルや資質にどれだけマッチしているかを考えることです。

①~③の手順に従って準備を進めてきた内容の中から、特に応募企業にとって価値が高そうなものをピックアップし、優先順位をつけましょう。

自分の活躍を漏れなく相手に伝えたいという気持ちは分かりますが、すべての情報を伝えようとすると、アピールしたいポイントが埋もれてしまうというデメリットがあります。
優先順位をつけておきつつ、すべて書いてもよさそうであれば、「漏れなく書く」という判断もできます。

注意点としては、以下のようなポイントが挙げられます。

  • ●企業リサーチ
    企業のウェブサイト、SNS、ニュースリリースなどから、企業の特性やニーズ、求める人物像をしっかりとリサーチしましょう。
  • ●相互価値の創出
    企業にとっての価値だけでなく、自身にとってもその企業で働くことで得られる学びや経験の価値も考え、相互の価値創出ができそうかも考えましょう。

⑤担当者目線を意識して職務経歴書を作成する

①~④の手順で準備を進めたら、採用側のことを意識しながら職務経歴書を実際に作成していきます。

企業のニーズと自分の自己PRを上手くつなげながら、記載することがポイントになります。

職務経歴書の書き方・書式に関する注意事項

ここでは、職務経歴書を記載する内容ではなく、書き方・書式に関する注意事項をまとめています。
どれも基本的なことですが、転職活動をする人たちはどれも外してはならない項目です。

一文を短く簡潔にし、結論から書く

職務経歴書に限らず、一文を短く簡潔にし、結論から書くことは重要です。
読み手の理解が迅速化し、応募者の強みや経験が伝わりやすくなります。

結論から述べることで、具体的な事例や成果を後に続け、印象に残ります。

また、一文が短いほうが読みやすく、ポイントが伝わりやすいため、相手にあなたの価値を効果的にアピールできます。
書いている応募者にとっても、情報の整理がスムーズになり、全体の構成がまとまりやすくなるでしょう。

レイアウトやフォント

視覚的な第一印象は、読み手に抵抗感をなくさせ、内容への理解を深める助けとなります。

フォントは、明朝体やゴシック体の基本的なものを選び、サイズは読みやすい10〜12ポイントが適しています。
また、レイアウトは整然さを意識しながら、基本的には左詰めで作成し、見出しや箇条書きを活用して情報を整理しましょう。

これにより、読み手が一目であなたの経歴やスキルを把握できます。

誤字・脱字

職務経歴書において誤字・脱字は、応募者の印象を意外と大きく左右します。
こうした小さなミスは、注意深さや丁寧さが求められる業界では特に重要です。

誤字・脱字が直接の採用の可否に影響するというよりは、相手の応募者への印象に影響を与えます。
誤字・脱字をしないことでプラスになることはありませんが、誤字・脱字をすることでマイナスになることはあり得ます。

最終チェックは入念に行い、可能であれば自分以外の人にも見てもらいましょう。

まとめ:第二新卒の転職は職務経歴書の書き方からスタート

第二新卒で転職をする場合には、企業リサーチや自己分析と合わせて、職務経歴書の書き方について調べる必要があります。

やることが多く感じられるかもしれませんが、企業リサーチや自己分析がしっかりできていれば、そんなに複雑に感じることもなくなるでしょう。

この記事では、第二新卒として転職活動を行う人へ向けて、

  • 履歴書との違い
  • 職務経歴書で見られるポイント
  • 職務経歴書の書式
  • 職務経歴書の書き方や注意点

について解説しました。

ただし、転職活動で重要なのは自己分析と企業リサーチです。
職務経歴書の書き方が原因となって、転職で最もやりたくない転職ミスマッチを引き起こすことは少ないでしょう。

転職後のミスマッチを防ぐための方法については、以下の記事も参考にしてください。
「転職後のミスマッチを防ぐには?ミスマッチ転職の原因と防ぎ方を解説」