転職は学歴フィルターに引っかかる?知っておきたい転職の学歴フィルター

近年、企業は学歴よりもスキルや経験を重視する傾向が強まっています。
しかし、一部の業界や職種では学歴がまだ重要視されていることも。

この記事では、学歴フィルターが存在する分野や、学歴以外で転職成功を収めるための具体的な方法について詳しくご紹介します。

学歴に不安を感じている方も、実力を発揮するためのヒントが得られるはず。
転職活動において、学歴がどのように影響するのか、知っておくべきポイントを掘り下げます。

学歴フィルターと学歴による有利・不利

就活、転職活動時に気になる要素の一つに学歴が挙げられます。
「学歴は他の人と比べると・・・」
「学生時代は勉強してこなかった」
このように就活や転職活動時に不安に思う人たちは一定数いるでしょう。

ここでは、就職活動に学歴は重要かどうかについて簡単に書いています。

学歴フィルターとは?

学歴フィルターは、求人募集において、応募者の学歴を評価基準とするプロセスを指します。
これにより、特定の学校卒または一定の学歴レベルを持つ応募者のみが選ばれる可能性があります。

この方法は、採用者や教育機関が応募者の能力や適性をある程度保証されると感じるために使用されますが、同時に多様性の低下や才能の見逃しというリスクも伴います。
学歴フィルターの採用により、知識やスキルを高める他の方法を持つ個人がオーバールックされる可能性もあり、社会全体の機会均等に影響を与える可能性がある重要な議論の対象となっています。

学歴フィルターにかかると、転職を考える人であれば誰もが作成する職務経歴書の内容にも目を通されることはなく、学歴だけで採用の可能性に差が開いてしまうことになるのです。

学歴はあった方が有利?

結論から申し上げると学歴は、ないよりはあった方が有利です。
必須条件ではなかったとしても、あって困るものではありません。

しかし、学歴が全てではないのが現代の転職市場です。
転職時にはスキルや実績が求められ、経験者採用においては多様なバックグラウンドが評価されることも多くなってきました。

特に、専門的な知識や技術を持つ職種では、それらが重要視され、学歴以上に実力が問われるでしょう。また、転職エージェントを利用する場合、専門的なアドバイスやサポートを受けられます。
エージェントが持つ豊富な情報やネットワークを活用することで、学歴フィルターをクリアする可能性も広がります。

学歴は一つの評価基準ですが、転職成功のためには、それ以外の要素もブラッシュアップする必要があるのです。

学歴フィルターにかからない42校

転職を希望する場合の就職活動で学歴フィルターはそこまで気にする必要性はありません。
しかし、後述しますが、第二新卒で転職を考えている人たちにとっては社会人経験がまだ不足していると見なされ、学歴も採用の参考材料として影響力をもってくるということも考えられます。

学歴と言っても、偏差値の高い学校に進学していればいるほど有利となるわけではなく、書類選考に通過しやすくなる程度の感覚でいることが重要です。

就職活動を支援している人たちの間には「学歴フィルターにかからない42校」という言葉もあり、これらの学校出身者であれば学歴フィルターにかかることが少ないと言われているものです。
これらの情報は特に新卒で就活している学生たちの間で話題になり、およそ10年以上前から就活時期になると取りあげられるようになっている42校(統廃合されている学校も含まれる)を以下にまとめました。

カテゴリ 大学名
旧帝大:7校 北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学
関東の国公立大学:13校 一橋大学、筑波大学、東京工業大学、東京外国語大学、お茶の水女子大学、東京医科歯科大学、電気通信大学、東京都立大学、東京農工大学、横浜国立大学、横浜市立大学、埼玉大学、千葉大学
関西・東海地方の国公立大学:6校 大阪公立大学(大阪府立大学・大阪市立大学)、神戸大学、大阪外国語大学、奈良女子大学、名古屋市立大学
関東の私立大学 12校 慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、学習院大学、明治大学、東京理科大学、青山学院大学、中央大学、立教大学、芝浦工業大学、法政大学、国際基督教大学(ICU)
関西の私立大学 4校 関西大学、関西学院大学、立命館大学、同志社大学

これらは、多くの企業から正式に集めたデータを基にして作成しているものではなく、毎年学校の入れ替わりがあったり、偏差値などもバラバラであったりするなど、信頼できないと主張する人たちも多くいます。

転職を考える際の学歴フィルターは、どの企業にも当てはまるものではありませんので、あまり気にする必要はありません。
参考までに眺める程度にとどめておきましょう。

第二新卒までは学歴フィルターの可能性も

「転職活動時に学歴フィルターは気にしなくていい」と書きましたが、第二新卒として転職活動をする人たちは少し気にした方がいいという意見も多数あります。
それは、第二新卒の社会人経験ではスキルなどを参考にするのが難しい場合があるからです。

第二新卒とは?

第二新卒とは、一度新卒で入社した会社を辞め、再び新卒と同様のステータスで転職活動を行う人のことを指します。
具体的には、初めての就職から数年以内(一般的には3年以内)に転職を考えている若手社員のことをさす言葉です。

第二新卒の方が抱える就活課題もあります。
例えば、最初の会社での経験が浅かったために、自身のスキルや適性がまだ明確でない場合、どのような職種や業界に転職するかの選択が難しいことや転職市場の動向や自身の市場価値がわかりづらいという問題もあります。

ただ、昨今では第二新卒向けの求人も増えてきており、企業側も経験が浅い若手を積極的に採用しようとしています。
第二新卒者がまだ柔軟な思考を持ち、新しい環境に適応しやすいと評価されているからです。

第二新卒はスキルが参考にならないケースも

第二新卒の方が転職活動を行う際、スキルだけが評価されるわけではありません。
特に、前職での経験が短期間であったり、未経験の職種や業界への転職を希望する場合、持っているスキルが必ずしも評価されるとは限りません。
企業は、第二新卒の応募者に対して、適応力やコミュニケーション能力、学び取る意欲を重視する傾向があります。

さらに、第二新卒の方はキャリア形成の初期段階に位置しているため、これからの成長の見込みやポテンシャルも評価されるポイントです。
転職活動を進めるうえで、自身のスキルや経験をアピールするだけでなく、未来のビジョンや目標、志向性・意欲や熱量もしっかりとアピールしましょう。

一方で、意欲や適応力といった抽象的で可視化することが難しいものが判断材料になりやすいからこそ、採用の一つの要素としての学歴がみられる場合もゼロではありません。

学歴重視の可能性が高い職種や業界

転職市場において学歴が重視される職種や業界も存在します。
特に、法律や医療、教育、研究開発関連の職種では、専門的な知識や技術が求められるため、高度な教育が必要とされるケースが多いです。

職種/業界 学歴重視の理由
法律 専門的な知識や技術が求められる。
医療 専門的な知識や技術が求められる。
教育 専門的な知識や技術が求められる。
研究開発 専門的な知識や技術が求められる。
金融 高い分析力や専門知識が求められる。
コンサルティング 高い分析力や専門知識が求められる。
大手企業 ブランド力を高めるため、一定の学歴を基準として採用活動を行っている場合がある。
外資系企業 ブランド力を高めるため、一定の学歴を基準として採用活動を行っている場合がある。

 

学歴重視の可能性が低い職種と業界

転職市場において、学歴が重視されにくい職種や業界も存在します。
特に、スキルや経験が求められるIT業界や、クリエイティブな職種においては、実力が直接評価される傾向にあります。
具体的には、プログラマやデザイナー、マーケターなどの職種です。
また、飲食業や小売業でも、接客スキルや商品知識が重視され、学歴よりも現場での経験が価値あるものとされる傾向が強いと言えるでしょう。

職種 業界 評価基準
プログラマ IT 実務経験、プログラミングスキル
デザイナー クリエイティブ デザインスキル、ポートフォリオ
マーケター 広告/マーケティング 実績、戦略策定能力
セールス 小売/商業 接客スキル、商品知識
カスタマーサポート サービス業 コミュニケーション能力、問題解決能力
起業家/フリーランス 自営業 ビジネス実績、ネットワーク、アイディア

企業が学歴フィルターを使う理由

企業が学歴フィルターを使うのには理由があります。
ここでは、主な理由として次の3項目を取りあげて解説しています。
●採用コストの削減と効率化
●努力量や継続量の推測に利用
●知識や経験の吸収量を図るのに利用

採用コストの削減と効率化

企業が学歴フィルターを使用する大きな理由の一つは、採用コストの削減と効率化にあります。
学歴フィルターを通じて、企業は最初から求める基準やスキルを持った応募者を絞り込むことができ、選考プロセスがスムーズに進行します。
これにより、面接や評価にかかる時間とリソースを大幅に節約することが可能となります。

学歴は企業が目指すブランドイメージや価値観とも連動している場合もあり、求める人材像とのマッチングを効率的に行う手法として活用されています。

努力量や継続量の推測に利用

努力量や継続量の推測のために学歴を利用することもあります。
学歴は、個人が持つ基本的な知識やスキル、専門性を示すバロメーターの一つですが、それだけではありません。
学歴からは、その人がどれだけの努力量や継続量を持っているかもある程度推測することができます。

たとえば、有名大学の卒業生は、入学試験に合格するまでの長期にわたる努力と、卒業までの継続的な学びが評価されるポイントとなります。
これらの努力量や継続量は、将来的に職場での成果や貢献度にも繋がると考えられ、企業にとって魅力的な要因となるのです。

知識や経験の吸収量を図るのに利用

高等教育機関での学びが実務経験にどれだけ貢献しているかを評価する企業もあります。
大学や大学院での教育は、専門的な知識を身につける場であり、それが職場での問題解決や専門スキルの発展に繋がると考えられるからです。

また、学歴が高いほど、新しい知識やスキルを効率的に吸収する能力が高いと見られます。
これは、企業が求める能力の一つです。
求職者がこれまでに獲得した学歴や資格は、見方を変えればその人が新しい環境に適応し、専門的な知識やスキルを速やかに習得できる可能性があることを示すものと捉えることもできるでしょう。

転職希望者に朗報:学歴フィルター導入企業は少数

企業の採用プロセスにおいて学歴フィルターが使用される場合もありますが、実際にはそのような企業は少数になりつつあります。
これは転職希望者にとって朗報です。
学歴フィルターを重視する企業は、応募者の学歴を基準にスキルや経験を判断しますが、最近の傾向として、多くの企業はスキルや経験、実績を重視するようにシフトしています。

この変化の背後には、業界のニーズの変化や技術の進歩が影響しています。
凄まじいスピードで進歩していく科学技術に対して、教育機関で学習した内容はこの変化について行くことができなくなっているのです。

それゆえ、転職活動を行う際には、自身のスキルや経験をアピールすることの重要性が増しています。
すべての業界・企業で学歴フィルターがなくなると断言することは難しいかもしれませんが、これからの転職市場は、学歴フィルターを超えた多様な採用が進むでしょう。

とは言え、書類選考という観点から見れば学歴の有無は重要な要素として生きてくるとの指摘が多いことも事実です。
転職活動の場合には職務経歴書がどれだけ作り込んであるかも重要です。

職務経歴書の書き方については以下の記事も参考にしてください。
「第二新卒の職務経歴書の書き方は?履歴書と職務経歴書の書き方の違いは何?」

転職時に学歴よりも重視したいポータブルスキル

学歴が全てを決定する時代は終わりました。現代の求職者に求められるのは、ポータブルスキルです。これは、ある職場から別の職場へスムーズに移行できるスキルを指します。具体的にはコミュニケーション能力、問題解決能力、時間管理、そして柔軟性などがあります。

コミュニケーション能力は、チームでの協力やクライアントとの交渉に不可欠です。また、問題解決能力は、予期せぬ課題に対して効果的に対応する力を示します。時間管理は、限られた時間の中で優先事項に効率的に取り組む能力です。柔軟性は、新しい環境や変化に適応する力を意味します。

これらのスキルは、特定の職種や業界に限定されず、さまざまな場面で活用可能です。転職を成功させるためには、これらのポータブルスキルを磨き、アピールポイントとしてアピールすることが重要です。

転職で学歴フィルターを気にする人がやるべきこと

転職で「学歴フィルターは考えなくて大丈夫」と言われても、気になってしまう方のために、転職活動時に取り組むべきことをまとめました。

転職エージェントの活用

転職活動で転職エージェントを活用するのは半ば常識となりつつあります。
学歴フィルターを乗り越えるための強力な味方となる転職エージェント。
専門的な知識と豊富な経験を持つエージェントが、応募者のスキルや経験を最大限に活かし、希望する職へのアプローチをサポートしてくれるのです。

転職エージェントが転職希望者のプロフィールを徹底的に分析し、最適な求人を見つけ出してくれます。通常であれば学歴フィルターによって書類選考の通過が難しいと思われる場合でも、エージェントが強みや職務経歴をアピールすることで、企業とのフットワークを固める手助けをしてくれるのです。

また、エージェントは企業とのコミュニケーションもサポートしてくれます。
面接のスケジューリングや交渉事項の確認など、細かな点でもサポートが受けられるため、安心して転職活動に専念することができ、企業の内情や求人の詳細についての情報も得られるので、事前に準備を整えることができるでしょう。

転職エージェントを活用することで、学歴がハンデとなりにくくなります。

自己分析や職務経歴書へ注力する

自己分析では、これまでの経験から磨かれてきたスキルや知識・自分の価値観を明確にします。
特に、学歴に頼らずに評価されるような、具体的な成果やスキルが求められます。
前職でのプロジェクトの成功事例、チームでのリーダーシップ、問題解決能力など、具体的な経験を基に組み立てることが重要です。

自己分析をした後の職務経歴書では、自己分析で明確にしたスキルや経験を如何に効果的にアピールするかが鍵となります。
具体的な成果や数字を用いて、実績をアピールしましょう。ま
た、職務経歴書は見やすさも重要です。情報が整理されていて、一目であなたの強みがわかるように工夫することが求められます。

この辺りの内容についても転職エージェントを活用することによって充実したサポートを受けることができるでしょう。

転職サイトの転職スカウトには注意

転職サイトを通じて転職活動をしている場合、転職スカウトには注意が必要です。
転職スカウトの目的は、企業の求人応募枠を埋めることにあります。
そのため、あなたのキャリアや希望に合った職種や企業を選んで紹介するとは限りません。

また、転職スカウトを受け取ることと採用を通過したことは同じではありません。
あくまでも書類選考を通過したという程度の認識でいることが重要です。

まとめ:「学歴」よりも「学力・スキル」が大事

転職を考える人は、学生時代の実績(学歴)よりも、今の自分がどうなっているのかを客観的に示す子ことができるようになっておくことが大事です。

学歴フィルターは今後もゼロにはならないと思われるものの、転職市場だけで判断すれば、その傾向は以前よりも低下していると言って間違いありません。
採用時に重視したいものは企業によって異なりますが、どの企業であっても、学び続けてスキルを磨き続けようとする人材は魅力的に映るでしょう。

「学歴」よりも「学力・スキル」の方が重宝されつつあるという大きなトレンドを抑えておくことは転職を成功させるうえでは欠かせない要素と言えそうです。

 

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